ウッド・マネージメントの先駆者/八嶋

2007/12/03

in: Vision
ウッド・マネージメントの先駆者/八嶋

Visionの八嶋です。グレンモーレンジ蒸留所は、ハイランド地方北部ロス・シャー
ドーノック湾の南岸、タイン村に、バルブレア蒸留所の共同経営者であった
ウィリアム・マセソン氏が、18世紀からのビール工場であった醸造所を転用して
創業したのが1843年。ゲール語で”大いなる静寂の谷間”の意味をもち、
スコットランドで最も愛飲されているシングルモルトなんです。
創立以来、頑なに16人の熟練された職人たちの手により、ていねいにつくられています。

グレンモーレンジで使用される「仕込み水」は、ターロギーの泉の湧き水です。
100年以上の時間をかけ、ゆっくりと石灰岩と砂岩層で濾過されたミネラル分豊富な硬水。
他の蒸留所では、ほとんどが軟水を用いているので、非常に特徴的なわけですね。。
この貴重な水を守る為に、泉だけでなく周囲250haの森林をも所有し管理もしてるんです。

グレンモーレンジ蒸留所のポットスティルは、エレガントな形状のスワンネック型。
驚くべきはその高さで、およそ17フィート(約5.14m)もあり、
スコットランドで最も背が高いポットスティルとして知られています。
この高さにより、重い風味や雑味を含んだ蒸気は先端まで届かず、
最も軽くてピュアな蒸気だけを凝縮させて抽出することが出来るのです。

現在ポートワインの空樽やボルドーワインの空樽などで仕上げ熟成を行う
『ウッド・マネージメント』ものが多く存在しますが、その元祖は
このグレンモーレンジ蒸留所のビル・ラムズデン氏によるものです。
彼が新しくリニューアルして送り出してきたウッド・マネージメントがこちら・・・

yashima071203


グレンモーレンジ キンタ ルバン
更に長くなったバーボン樽熟成と厳選されたルビーポートの空樽により
仕上げ熟成された味わいは、チョコレートとミントの複雑で豊かな香りと
ヴェルベットを思わせる甘く滑らかな味わいで華やかです。

グレンモーレンジでは一つの樽は、わずか2度しか使用されず、しかもアメリカの
ミズーリ州にあるオザーク山に生息するホワイトオークのみが使われます。
その中でも『アーリーウッド』と呼ばれる春材(早材)の部分を使用しています。
空気の穴(層)が大きく開いたスポンジの様な構造になっているので、吸収性に富み
ウイスキーの中に樽の個性を取り込みやすい構造になっているわけですね。
このアーティザンカスクとポートワイン樽とのマリアージュが絶妙なんです。

花や果実のような香りと、より複雑な味わいのグレンモーレンジを
是非、堪能しにいらしてください。。今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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