2013/09/28
異様なタイトルでスタートしましたが。笑
最近暑さがようやく和らいできましたね。
しかし、雨が多く、湿気で体感温度が上がるので暑さを感じる日もしばしば。
お住まいによっては、湿気によるカビに悩まされている方も多いのでは?
鬱陶しいですよね(ーー;)お風呂場に潜む大敵です。
でもみなさんご存知のように、その大敵の仲間たちは、時にとっても役立つ力を発揮します。
アルジャーノンシノニムに並ぶ沢山のお酒や、美味しいチーズたちも、
カビや発酵というプロセスあっての産物!
特に日本は古来から様々な菌やカビに助けられて文化を作り上げてきました。
発酵食品の代表、納豆をはじめ、日本酒、醤油、漬物、
そして意外と見落としがちな日本料理を支える鰹節。
カビ無くして繊細な日本の食文化は成り立ちませんでした。
今日は、有難いカビ様のお話。
鰹節が何故、日本の出汁に使われているか…
何故、繊細な旨味あふれる出汁を作り出せるのか、ご存知でしょうか?
まさしく、カビの力なのですよ。これが。
元々、発酵は、冷蔵や冷凍保存技術のないその昔、保存の為の手法として生まれました。
昔の保存方法は大きく3つ、
●塩をまぶす
●燻す、乾燥させる
●発酵
でした。
発酵させる物質は、腐敗させる物質から自分の子孫を守る為に、
腐敗物質を寄せ付けない抗菌物質を作り出すのです。
鰹節も同じです。江戸時代には既に鰹にカビをつけて発酵させていたのだとか。
さて、海から上がった鰹が鰹節になるにはどんな作業をしていくのでしょうか?
まず、鰹を3枚におろします。それを一度煮て、その後火にかけ燻す。
ここからです。何度も段階を踏みながら発酵層にいれていくのです。
江戸時代には、第5発酵層まであったそうな。
その理由は、湿気とカビの関係と一緒です。
水分を好み、水分無くして生存出来ないカビは、幾度に渡り鰹から水分を吸い取ります。
その結果、カッチカチの鰹節が出来上がるのです。
一度火にかけるのだから、乾燥させたら良いのに…
と思われるかもしれませんが、水分の抜け方がまばらになり、
うまく削ることの出来ない鰹節になってしまうのだとか。
しかし、発酵による脱水は非常に優秀で、万遍なく水分を抜き取るのです。
更に!発酵中にたんぱく質分解酵素が出る為、鰹のたんぱく質をアミノ酸に分解して旨味が急増!
更に更に!油分まで分解するので出汁に油が浮きません。
優秀すぎるカビ様。
自然の摂理をうまーく利用した先人の知恵から、日本の繊細な味わいは生まれていたのです!
あまりの硬さに食べ方が分からず 、海外の方が一番驚く食材が鰹節、
ということもあるようですよ。
日本独自の素晴らしい文化のひとつですね(^^)
今日は鰹節に似た、磯の香りのするモルトを。
スリーリバース ボウモア 1994 16y
残り、僅か。
Takayo Mano
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