クライヌリッシュか?ブローラか?

2007/01/26

in: Vision

visionの八嶋です。今夜は、クライヌリッシュのご紹介です。

ここは現在、最北の地で製造されているハイランドモルトのひとつで、
専門家たちの間では「本土のモルトの中で最も海岸の味わいを持つもの」とも表現され、
ハイランド地方と沿海地域、ふたつの特徴を兼ね備えたシングルモルトなのです。

ハイランドの首都インバネスから北、英国本土の北端までの東海岸には、
現在操業中のモルト蒸溜所が7蒸溜所あり、ノーザン・モルトと呼ばれています。
この地域は、3方を海に囲まれ、行政区上のハイランド地域(Highland Region)の
北半分を占める広大は地域です。ハイランド地域は面積2万5千平方キロ余、
英国本土の約3分の1を占めますが、人口は僅か20万人にすぎません。
人口密度は1平方キロ当り8人で先進国には例を見ない広大な自然が広がっており、
これはこの地域が極端な過疎地域であることだったりします。

スコットランド北東部、北海に面したリゾート地ブローラに、蒸留所はあります。
1819年、この地域の穀物農家のために市場を確保すること、
そして違法な蒸留所への穀物供給をストップさせることを目的に、
サザーランド公爵の命により、約750ポンドの資金で建てられました。
1967年に新しい蒸留所が隣接され、この蒸留所で造るモルトがクライネリッシュを名乗り、
それまでの古い蒸留所はブローラと改名して呼ばれるようになりました。
左側がクライヌリッシュ蒸留所で、右側がブローラです。

TS070126
 TS070126b

さて、今夜のラインナップはこちら・・・

ウイスキー エクスチェンジ 1994 10年
ウイスキーエクスチェンジのオリジナルシリーズ。
このシリーズは、SPECIALITY DRINKS社による瓶詰となっています。
麦芽の甘さとしっかりとしたボディが特徴。飲み応え十分でほんのりと塩っぽさが残り、
シェリーが適度に効いていてバランスがとても良いのです。
1994年11月8日蒸留でCaskNo.4011のシェリーバット、2005年10月26日に367本のボトリング

キングスバリー ケルティックコレクション 1990 14年
この1990年は、オロロソシェリー樽で熟成されていたため色は濃く、
はちみつ、アーモンド、シトラスとともにスモーキーな複雑な風味を持っています。
なめらかな味わいとオイリーさスパイシーさが感じられ、長い余韻に浸れるタイプです。

キングスバリー 1991 13年 for KYOTO
こちらもオロロソのシェリー樽で寝かせたもので、樽詰めは1991年9月27日で、
ボトリングは2005年8月31日。13年の表記ですが、ほぼ14年熟成になります。
京都にある酒屋さん「津之喜酒舗」さんが、樽ごとキングスバリー社から買って
カスクストレングスで瓶詰めし、全部で284本しかないものです。
バックラベルに、このボトルが置いてある京都のBARが”スペシャルサンクス”として掲載。

マーレー マクダヴィッド 1994 11年 コンドリューカスクフィニッシュ
2005年にブルイクラディ蒸留所でボトリングされたばかりの逸品で、
バーボン樽で熟成後、世界的なワインの造り手である
キュイルロンのコンドリューによってフィニッシュされた自信作です。
ヴィオニエ種のみで作られた白ワインによって、新たな一面が見え隠れします。

エクスクルーシブ モルト 1994 10年
クリエイティブウイスキー社が生産しているニューボトラー「エクスクルーシブモルツ」
この新しい会社はデイビット・スターク氏が代表を勤めています。
彼は、「モルトウイスキーガイド」などの著書で、「ウイスキーマガジン」のパネラー、
と同時に大手ボトラーズのブランドアンバサダーとしてその手腕を発揮しています。
彼の味に対するこだわりが見事に裏付けられたブランドなのです。
【デイビット・スターク氏のテイスティングコメント】
香りは甘いドライシェリー、煙たいタールとスパイス、フルーツケーキ。
味はしっかりとしたフルーツが感じられ、かつスパイシー。シェリー樽の甘さが素晴しい。
フィニッシュは長くて甘い。。ですって。

ジョン ミルロイ 1992 13年
1947年に創業、品質の佳さに定評があり、キングオブモルトと呼ばれる業界の名物男です。
兄ウォレス・ミルロイはウィスキー評論家で、弟のジョン・ミルロイが
ロンドンのソーホーに店舗を持って、シングルモルト・ウイスキーを取り扱っています。
イギリスのスコッチ業界にはなくてはならない存在のようです。
柑橘系の香りとほのかに海草っぽさがあり柔らかく広がります。麦芽の甘さを感じ、
徐々に塩っぽさを感じます。バランスがよい味わいのバーボン樽熟成のクライヌリッシュ。

ブラッカダー ロウカスク 1989 16年
多くのウイスキーは、加水や低温時に白濁の原因となる蛋白質や脂肪分などを、
氷点下フィルター処理により取り除いてしまいます。
それに対して、ブラッカダーのロウカスクでは、樽由来の大きな木片等を取り除く以外は
樽内部を、そのままボトリングするためボトルの底には多くの沈殿物を含みます。
これが、元来ウイスキー自身が持っているフレーバーや味わいをもたらします。
そんなクライヌリッシュです。

さぁ今宵は、どのクライヌリッシュから始めますか?
今夜もvisionにて、お待ちしております。。

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