2013/10/16
皆さん、BARの音楽、と言えばなにが一番に頭に浮かんで来ますか?
最近、店内のBGMの方向性も定まり、
わたしの中のBARの音楽は、やはりJAZZですね。一番好きです。
BARだけでなく、様々なシーンを作るに欠かすことのできない『音楽』。
中でも私の『クラシック』のイメージは、最も高貴で、
どこか手を出せないような…そんなイメージがあります。
今日は、そのクラシックに欠かすことの出来ない、バイオリンのお話です。
バイオリンは、今から約300年ほど前に、イタリアはクレモナ村という場所で生まれました。
クレモナは、ストラディバリウスや、その師匠アマティなど、様々な名器を生む伝統ある街。
クレモナで採れる木材や、それを育てる水が良いという話や、
そこでしか手に入らないニスがあるなど様々な説があるのですが、
事実、現在世界で愛される名バイオリンの90%以上がこの地で作られているといいます。
そのバイオリン、何がモチーフになっているのかはご存知の方が多いはず。
くびれた曲線美。ギターも同じなのですが、女性の身体がモデルなのです。
しかもギターは平面の組み合わせがある一方、
バイオリンはすべての面が曲線で作り上げられています。
そして、釘や強力な接着剤は用いず、
接着には膠を使用することでとてもしなやかな作品が出来上がるのです。
さらに素晴らしいことに、様々な楽器は時代と共に形を変えたり、
作り方も変化していくのが一般的なのですが、バイオリンは、
300年前に生まれてから今まで、全く形を変えていないといいます。
バイオリンの歴史はヨーロッパ貴族の歴史そのものとも言われていますね。
絵画と同様コレクション対象になっているバイオリン。
そのバイオリンを、優秀なバイオリニストに貸し、
定期的にサロンコンサートを開かせていたのだそう。
そうやってまた、貴族同志の繋がりを作り上げていたのです。
歴史あるバイオリン。その寿命は、生まれてから300~400年程度と言われています。
更に驚くのは、150年目あたりから、そのバイオリンが名器かどうかを判断できる様になること。
100年目にて『モダン(若い)楽器』と言われてしまうのです。凄いですよね!
名器、ストラディバリウスは現在300歳前後。
その師匠、アマティはそれ以上のお爺さんなのだそうです。
バイオリンは歳を重ねると音に深みや渋みを増し、名器として相応しい音色を奏でるのです。
しかし、歳をとるとオーケストラなどではパワーが無く、あまりむかなくなる為、
本当のポテンシャルを感じるには、小さなサロンコンサートなどが一番。
力はなくとも、その深い音色は、そのバイオリンにしか出せないのです。
バイオリンは、ウィスキーと似ていますね。
色もそうですが、時間をかけてその実力を発揮する。歳をとるごとに磨かれる味わい。
代々受け継がれ、歴史を刻むバイオリンとウィスキー。
歴史を感じながら、今日はウィスキーを飲んでみてはいかがでしょう?
グレングラント。
今は懐かしい、四角いボトル。
Takayo Mano
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