ピザ職人。 / 赤坂見附 Algernon Syn.

2013/10/23

先日、お客様とピザのお話で盛り上がりました。
日本でメジャーなピザの食べ方は、ピザカッターでカットし、手で食べるというスタイル。

でもこれはアメリカ式のファストフードの文化で、
本場イタリアでは、ナイフとフォークでおしゃれに食べます。

カットしてしまうと、その隙間から美味しい部分が落ちてしまうなど、
あまりよろしくないのだとか。

わたし自身ピザ好きなのですが、実は、本場イタリアのピザについては
あまり知らないなと思ったので、調べました。笑

今日はピザのお話。

実は、ピザの原型はもっとシンプルな、フォカッチャなのです。
それに、今のピザの様にトマトを乗せるようになったのは、ちょっとした歴史があるのです。

16世紀にメキシコで栽培していたトマトは、エルナン・コステスによって
ヨーロッパに持ち帰ったのが始まりと言われています。

当時、トマトは有毒植物の“べラドンナ”に似ていたために毒を持つ植物と思われていました。 
その為、鑑賞用として栽培されていましたが、スペインに支配されていたイタリアで、
飢饉が発生した時に貧困層で食べ始められたと言われています。

有毒といわれていたトマトを実際に食べて見たら、甘酸っぱく美味しいことが分りました。
当時、フォカッチャはオリーブオイルを使って調理していたのですが、それにトマトを乗せたら、
脂っこいフォカッチャがトマトの酸味で緩和され食べやすくなりました。

それを知ったナポリの貧しい民衆はその後、フォカッチャとオリーブオイル
そしてトマトを一緒に食していたのでしょう。 

そしてそのフォカッチャやピザを焼き上げるのは、今とさほど変わらない石窯。
溶岩を使って作られていました。

ナポリは、ナポリ湾に面している港町。
ボスピオ火山で消滅したポンペイの遺跡からそれほど離れていない処にあります。
つまり、ナポリはボスピオ火山の近くの都市で、近くに溶岩が産出されている地域です。 

溶岩で作った釜は、パンを多く入れても温度が下がらずに遠赤外線が多く出て、
美味しいパンが出来ることを当時のナポリやポンペイのパン職人は分っていたようですね。

ナポリのピザ職人のピザ釜もビスピオ火山から取ってきた溶岩で作られるようになりました。
しかし、ピザはナポリの食べ物で、他のイタリア地方では認知されず、
ナポリの郷土料理のような存在だったのです。

しかし、ナポリ王フェルディナンド2世がピザを気に入り、
城にピザ作り用のキッチンを設置したことで貴族達の間にもピザが広がっていった様です。

しかし、各地で溶岩を仕入れられる訳ではないので、
貧しいピザ職人は様々な材料を組み立て石窯を作ったといいます。

現在日本のイタリアンのお店にも、様々な石窯があるのですが、
色とりどりの、様々な材料で組み上がった石窯を見かけたら、
それはその当時の伝統ある石窯を受け継いでいる、というわけなのですよ。

石窯にも寿命があり、大切に使っても20年ほど。
ピザ職人にとって石窯の最後は本当に切ないんでしょうね。

たまにピザを焼くイタリア人が、生地に向かって陽気に話しかけているお店もあります。
『ボンジョルノ!』とか。笑

ピザ生地は生きているのです。
ピザにも、石窯にも惜しみなく愛情を注ぐピザ職人。暖かいですねー。

しかし、陽気なイタリア人だから絵になっても
日本人が堂々と話しかけていたらちょっと変に思えるのですが。笑

久しぶりに美味しいマルゲリータが食べたいです。

もちろん、イタリアワインと一緒に。

$bar Algernon Synonym 赤坂見附

ペトローロ トリオーネ.2007

トスカーナの、サンジョベーゼ100%。
ブドウをいかに優しく扱うか、ということに注力するペトローロ。
しなやかで洗練された味わいなのです。

Takayo Mano

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