ベッシー・ウィリアムソン / 赤坂見附 Algernon Syn.

2013/09/24

世界中に沢山のファンをもつアイラモルト、ラフロイグ。

ドライでガツンとくるピートが印象的な一本で、一度飲んだら
良くも悪くも忘れられないシングルモルトウイスキー。

何故このウィスキーの話題を取り上げたかと言いますと…

かつて、スコッチウイスキー界では唯一、女性が蒸留所責任者だった時期があったからです。

BARの世界と同じ、男社会で生きたその女性を調べてみたくなりました(^^)

その女性の名は、ベッシー(正式名はエリザベス・リーチ)・ウイリアムソン。

彼女は1932年にグラスゴー大学薬学部を卒業しますが、
世は不況で適当な職場がなく、速記のできる秘書としてアルバイト生活に入ります。

翌年の夏、アイラ島出身で大学同窓の女友達に誘われ、初めてアイラにバカンス旅行をしました。

そのある日、友人のお伴をして地元の商店に立ち寄ったところ、
“ラフロイグ蒸溜所経営者イアン・ハンター氏の秘書が病気になり、
速記のできる臨時秘書を探している”という話が出ます。

友人はベッシーに応募をすすめました。酒を飲まないベッシーは、
軽い気持ちでハンター氏の臨時秘書になったといいます。

ハンター氏は、ウイスキーづくり以外に趣味はないといったマジメ人間で、
ベッシーはその姿勢になぜかとても心惹かれたといいます。

正秘書はまもなく快癒して、仕事に復帰してきたが、ベッシーはそのまま
ハンター氏の助手としてアイラに留まり、薬剤師変じて蒸留技術者の道を歩み始めます。

1946年には、ラフロイグの蒸溜責任者に就任しました。

ハンター氏が死去すると、遺言により蒸溜所はベッシーのものとなりました。

こうして、ラフロイグ蒸溜所は1954年から1972年までの18年間、
ベッシーが自らウイスキーづくりの指揮をとり、自ら経営したのです。

その間ベッシーは、ウイスキーをごく僅かしか嗜まなかったという…。

独身のまま、1982年にこの世を去りました。

驚きました。

偶然に偶然が重なり…人生そのものが変わった、ベッシー・ウィリアムソン。

お酒を飲まない彼女が、世界一特徴的なウイスキー作りを行いました。
単なるバカンス旅行のはずが、ウイスキー史に歴史を刻んだのです。

本当に、出会いってすごい。出会いや縁を大切にしたいと改めて思いました。

今日はラフロイグを飲みましょう。

$bar Algernon Synonym 赤坂見附

アトマイザー6 ラフロイグ

ピートのガッツリ効いたラフロイグ。最もパンチある一本です。

怪我をした指で薬の瓶をもつ、ユニークなラベルが目印。

Takayo Mano

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