2008/05/21
キャンベルタウンは半島の南東に出来た天然の入り江にある港町。
かつて大航海時代のキャンベルタウンは石炭の採掘が行なわれ、カナダ、アメリカと
行なわれていた盛んな交易のおかげで、スコットランドの文化と経済の中心地でした。
ウィスキーの歴史から見ても、19世紀以降存在が確認されているのは36蒸溜所、
加えて間違いなく存在したと思われる蒸溜所が7ヶ所あります。
キンタイアはある時代、ウィスキーの主要生産地だったというコトですね。。
アメリカで禁酒法が終わりを告げる頃、増産に増産を重ねたキャンベルタウンは、
粗悪品のウィスキーの街として知られるようになっていました。
やがて石炭を掘りつくした港には、寄港する船も減り始め、輸送手段は海上から
陸路が主流になり、現在のキャンベルタウンには三つの蒸留所と静かな港街が残ってます。
その一つ、グレンスコシアの創業は1835年。スチュアート・ガルブレイスによるもので、
創業当時の名前はスコティア蒸留所でした。所有者の変更が多く、1930年代のオーナー、
ダンカン・マッカラムが借金を苦にキャンベルタウンロッホに身を投げて以来
蒸留所には彼の幽霊が現れるという話は有名です。
こんな数奇な運命をたどっているグレンスコシアですが、現在はロッホ・ローモンド社の
所有となっており、1999年以降、スプリングバンクの職人達が蒸留所をリースして
不定期ですが生産を再開しています。
そんな彼らが送り出してきたのが「PEATED SINGLE MALT」。
ヨーロッパで4人に3人がアイラモルト党という程、日本ではもちろん世界でも
アイラモルト人気がとまりません。そんな中にあってか、近年スペイサイドや
ハイランド等の蒸留所でも、ピートを強く焚いたタイプの
ピーテッドモルトがリリースされています。
そして、今回はキャンベルタウンのグレンスコシア蒸留所からです。
グレンスコシア 1999 オフィシャル ピーテッドカスク
蒸留:1999年7月23日~ボトリング:2007年4月25日
カスクナンバー:546、カスクタイプ:アメリカンオーク・セカンドフィル
香り:スモーキー。海草の香りと共に。
味わい:フルーティーで強烈なピート。
フィニッシュ:フルーツ、ピート、タンニン、バニラの複雑なフィニッシュ。
キャンベルタウンの特徴は、よく「ブリニー、塩辛い」といわれますが、
それにピートがあいまって、まさに今好まれるタイプのモルトではないでしょうか!?
今夜もvisionにて、お待ちしております。