ハイランドなのにスペイサイド!?/八嶋

2008/04/28

in: Vision
visionの八嶋です。SPEYSIDE(スペイサイド)は、インバネスとアバディーンの間、
グランタウンオンスペイから海岸付近のエルギンという街までで、
スコットランド随一の急流として知られるスペイ川の流域を中心とする一帯を指します。
ここは、花崗岩の山々から北海に向けて広がる肥沃な土地であり、
大麦が主要農作物として収穫されます。南北32キロメートル、東西50キロメートル
ほどの地域内にスコットランド全土のモルトウイスキー蒸留所の約3分の2が集中
しています。まさにシングルモルトウイスキー製造の中心というのにふさわしい場所で
スペイ川はスコットランドの魂が流れていると言われているんです。

そんな地域とは別に、スペイ川の最上流部キンユーシーの町から2キロ程下った所に
蒸留所がありました。その名も「スペイサイド」。1895年に創業した、この蒸留所の
創業者はバンダリンロッホ城のサー・ジョージ・マクファーソン・グラントという城主。
当時の金で2万ポンド近い大金をつぎ込みましたが、1911年に彼の死によって閉鎖。
長いこと眠りについていた蒸留所の跡地を、1956年ジョージ・クリスティー氏が
購入し、スペイサイド・ディスティラリー&ボンディング社を設立しました。
現在稼働中の新スペイサイド蒸溜所はトロミー川とスペイ川の合流点に所を移し
1962年に起工、1987年に工事完了。1990年12月12日に最初の蒸留液が流れだしました。

実はここ、ハイランドとスペイサイドの境界線付近にありまして、
地域区分としてはハイランドになるんです。名前はスペイサイドですけど・・・

yashima080427

スペイサイド ストーンジャグボトル
そんな新生スペイサイド蒸溜所が初期にボトリングしたと思われるモルトが
ご存知、我が社のセラーから出てきました。引越しのどさくさから発見しました。
恐るべしです。しかもストーンジャグ、いわゆる陶器ボトルなんです。
どれくらい流通したのか、どれくらい古いものなのか必至に調べたんですが
まったく分かりません。ただ、もう手に入らないものなのは間違いありません。

蒸留所の名前とは裏腹に、地域区分としてはハイランドになる蒸溜所。
何だか不思議な気もしますね!?ハイランド地域で育まれたスペイサイド蒸溜所。
是非この機会にどうぞ!

今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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