トウキョウソナタ／松村

恵比寿ガーデンシネマで上映中の“トウキョウソナタ”です。
まず出演者が素晴らしいです。香川照之さん、小泉今日子さん、役所コウジさん
(全員、大好きな俳優です)、井川遥さん(単純に綺麗です)など、豪華な布陣で、
それだけでも一見の価値ありです。

ストーリーは、東京を舞台にした、ある家族が少しずつバラバラになっていく
日常を描いたもので、非常にリアルです。
まず最初に、香川照之さんが会社にリストラを宣告される所から物語は始まります。
それから、小泉今日子さん演じる妻や子供に失業した事実を隠したまま、
毎日のようにハローワークに通い、昼食は配給所で賄うという生活を続けますが、
なかなか再就職は出来ません。
そんな中、小学生の次男がピアノを習い始める、大学生の長男がアメリカの軍隊に
入りたいと言い始める、こういう所から家族がバラバラになっていくのです。
非常に重いテーマの作品ですが、最後にしっかりと希望も用意されています。
そして、重要なポイントだと思うのですが、所々でしっかり笑えます。
“笑い”が無いなら、こういうテーマの作品の場合、
映画にする意味が無いんじゃないでしょうか？？
だって実生活じゃ笑えないですから(笑)。
映画や舞台は“エンターテイメント”であるべきだと思います、
それはどんなに重たく暗いテーマを描いた作品でも…。
この映画からは、“人間は所詮みんな一人だから、しっかりと自分の頭で考えて
自立して生きていこう”というメッセージを受け取る事が出来ますし、
東京という街、独特の“孤独感”“猥雑さ”も上手く表現されていると思います。
そして不思議な事に暗さを伴いません。
それらのリアルな作品を魅力的な物にしているのは、言うまでもなく香川照之さん、
小泉今日子さんを始めとする役者の方々の演技です。
約2年前の“ゆれる”という作品の時にも感じましたが、
ああいう鬱屈した物を抱える普通の中年男性を演じたら、
香川照之さんの右に出る方はいないといっても過言じゃないと思います。
香川照之さんはどうしてあそこまで、一つ一つの演技を
リアルにする事が出来るのでしょうか？？
その答えは、僕なんかには当然分かりませんが、ただ訓練を積んだり
経験を重ねたからと言って誰もが出来る訳では無い事は確かでしょう。

そんな魅力が詰まった“トウキョウソナタ”、是非皆さんも映画館で観てみて下さい。
そして、ガーデンシネマで映画を観た後は恵比寿vinsantoで至福のひとときを！！
営業もしっかりしないと(笑)。では今夜もvinsantoでお待ちしてます♪♪