2013/10/07
ついに10月に入り、年末が近づいて参りました。
12月で1年が終わり、1年間は12ヶ月、365日、そして4年に1度の閏年には366日になります。
そんな当たり前の1年、しかし明治時代初頭は1年が13ヶ月、
なんて年もあったのです。ご存知でしたか?
明治5年、日本はそれまで使用していた太陰太陽暦を改正、ユリウス歴を導入します。
その後明治33年にはグリゴレオ歴を採用して、今の基本の暦が出来上がりました。
そもそも、皆様、太陽歴、太陰暦、太陰太陽暦…って何だかご存知でしょうか?
『太陽』は、そのままの意味ですが、ここでの『太陰』は、月のことを指します。
つまり、太陽歴は太陽の周期に合わせて、現在世界各国で暦が設定されており、
かつての太陰暦は月の周期に合わせて暦がつくられていたのです。
そして太陰太陽暦は、その2つをすり合わせて作られた暦、というわけです。
地球が太陽の周りを一周するのにはおよそ365.25日。
その為、4年に1日閏年を設け、そのずれを調整しているのです。
そして太陰暦。
月の満ち欠けは29.53日で1サイクル。そこで、ひと月を29日と30日にしたのが太陰暦です。
しかし、平均29.5日を12ヶ月倍すると、1年が354日となり、354日に比べ11日も少なくなります。
農業など、季節がたいせつな仕事には、1年が354日では、
3年たつと約1ヶ月のずれが出てきてこまります。
そこで、太陽暦の365日にうまく合うように工夫されたのが太陰太陽暦です。
江戸時代頃からこの暦は採用されており、時代劇にたまに『閏三月』なんてでてきていますね。
12ヶ月にプラス丸々1ヶ月プラスして暦を調整していたからなんです。
農業におけるサイクルでも、とても優秀だった太陰太陽暦。
なぜこれが明治5年に太陽暦に切り替えられたかといいますと…
明治6年は旧暦では閏月があって13ヶ月の予定でしたが、太陽暦導入により無くなりました。
明治維新で月給制度が導入されましたが、新政府の財政はまだまだ厳しかったので、
この月の給料を浮かそうと目論んだのです。
もちろん欧米で一般的に使用されている太陽暦に合わせるというのが主目的なのですが、
急な布告(明治5年11月9日公布)により導入が決定した背景はそういう事です。
太陽暦、今は当たり前のように馴染んでいるのですが、
実は太陰暦は人類…ひいては生物にとってとても重要な役割を果たしていたのです。
月のサイクルというのは生態のリズムに非常に密接に関係しています。
一番分かりやすいのは、塩の満ち引き。
海の干潮や満潮も月のサイクルによって引き起こされています。
驚くべきことに、満月の日には地球が膨張し、
アメリカ大陸は16センチ浮き上がっているんですよ!
それほどに大きな影響のある月のサイクル。
しかし、太陽暦が採用された今、多くの矛盾ある暦になってしまっているのです。
今でも、神社では毎月15日、月並み祭を行うのですが、
これはかつての太陰暦での1日に新月、15日に満月だったからなのです。
つまり、誰しもがいつが満月で、いつが新月なのかを暦で理解出来ていたのです。
しかし、太陽暦に合わせた15日に月並み祭を行っても
あまり意味が無いような気がします。。(´・_・`)
今更、太陰太陽暦に戻すのは不可能でも、『月を感じる』
というのは、とっても大切なことなのです。生まれ持ったサイクルなのです。
生態のリズムに逆らわない事が、やはり大切なのですよね。
まあ、昼夜逆転の我々が言える事ではありませんが(ーー;)笑
今日のオススメ。
月のお話にちなんで、名前に月をもつお酒。
ジョージアムーン。
和訳は『密造酒』。
かつて、月のみが禁じられた酒造りを見守っていた時代もありました。
へそ曲がりなネーミング。そして味わい。
Takayo Mano
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