2023/02/01
クライドサイド蒸留所について、徹底解説していきます。
生産国:スコットランド
地域:ローランド
所有者:モリソングラスゴー・ディスティラーズ社
設立年:2017年
年間生産能力:50万リットル
仕込水:カリトン湖
ワンバッチ:1.5トン
発酵槽:ステンレス8基
蒸留器:初留1基、再留1基
熟成庫:
クライドサイド蒸留所はグラスゴーの中心地に位置する蒸留所で2017年にティム・モリソン氏が創業しました。
モリソン家はグラスゴーの街の繁栄を支えた名門一族で、その一族はかつてモリソンボウモア社としてボウモア蒸留所を所有していたこともあります。
クライドサイドの「クライド」とはグラスゴーを東西に流れるクライド川のことで、このクライド川のそばに建てられているという意味です。
グラスゴーの街は、かつては大英帝国第二の首都といわれたほど繁栄し、商業、工業、貿易の中心地で、特にクライド川からクライド湾を経て大西洋にダイレクトに出られる好立地から、アメリカやカナダとの貿易で栄えました。
そしてそれを可能にしたのがクライド川の開発と国際港としてのドックの建設でした。
当時グラスゴー最大と言われたクイーンズドックを築いたのがモリソン家のジョン・モリソンで、そのドックの入り口にかけられた開閉式のスウィングブリッジを動かすためのポンプハウスのハイドロシステムが、現在蒸留所のレセプションセンターになっています。
また、そのポンプハウスを改造して建てられたのが現在のクライドサイド蒸留所です。
ポンプハウスが建てられたのが1877年で、クライドサイド蒸留所の創業が2017年のため、140年ぶりにモリソン家がポンプハウスに戻ってきた形になります。
クライドサイド蒸留所は、「かつてのグラスゴースタイル、ローランドスタイルを目指している」とのことで、仕込みはすべてノンピート麦芽を使用、ワンバッチ1.5トンで2基の蒸留器で2回蒸留。
ミドルカットは76.5〜71%とかなり狭く設定しています。
本来のローランドスタイルは3回蒸留ですが、このミドルカットの狭さが2回でもローランドらしいライトでフルーティなフレーバーを生み出しています。
Clydeside Stobcross
クライドサイド ストブクロス
クライドサイド蒸留所で現在日本に正式に輸入されているのはこちらのボトルのみです。
白とオレンジの2色に塗り分けられた目立つデザインのボトルは、港湾事業に関わっていたモリソン家ということもあるのか、船の喫水線のイメージなのではと思われます(実際に蒸留所の壁はそのようなイメージで塗装されているそうです)。
また、クライドサイドの文字も、倉庫街をイメージしているようにも見えるフォントとなっており、デザインへのこだわりを感じます。
青りんご、りんごの中心部の蜜のフレーバーが大変強く、非常にジューシーでハイボールにすると爽快感のあるボトルです。
Vision Whisky bar ヴィジョン
吉祥寺/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
0422-20-2023
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