2026/06/09
独創的なブレンディングと芸術性あふれるボトルデザインで知られるコンパスボックス。
その魅力は単なる見た目の華やかさに留まりません。
伝統を尊重しながらも既成概念に囚われない発想で、常に新しいスコッチウイスキーの可能性を探求し続けています。
今回はそんなコンパスボックスからリリースされた一本、「クリムゾンカスク」をご紹介いたしましょう。
コンパスボックス クリムゾンカスク
Compass Box Crimson Casks
まずはコンパスボックスという存在について少しだけ。
スコッチウイスキーの世界では蒸留所が主役となることが一般的ですが、コンパスボックスは少々異なる立ち位置にあります。
自社蒸留所を持たず、各地の蒸留所から選び抜いた原酒を組み合わせることで作品を生み出すブレンダー。
そのため一本一本が「蒸留所の個性」だけでなく、「ブレンダーの思想」を色濃く反映した仕上がりとなっています。
クリムゾンカスクもまた、その哲学を感じさせるボトル。
その名の通り深紅を思わせる色彩をまとい、シェリー樽熟成原酒の魅力を存分に引き出したブレンデッドモルトウイスキーです。
構成原酒にはスペイサイドやハイランドのモルトが用いられ、その中心にはシェリー樽との相性で知られる蒸留所の原酒も含まれているとのこと。
近年のシェリー樽熟成ウイスキーには濃厚さや重厚さを前面に押し出したものも少なくありませんが、クリムゾンカスクの印象は少々異なります。
確かに豊かな甘みと果実味を備えながらも、それらが過剰に主張することはなく、あくまでバランスの中に収まっているのです。
派手さよりも完成度。その辺りにコンパスボックスらしい美学を感じます。
テイスティングノート
レーズンやドライチェリー、プラムを思わせる濃密な果実香。
続いてオレンジピールやシナモン、ほのかなナツメグのスパイス。
口に含むと赤い果実のジャムやデーツの甘みが広がり、ミルクチョコレートやトフィーを連想させるまろやかなコク。
その奥から樽由来のタンニンが穏やかに姿を現し、味わい全体を引き締めます。
フィニッシュにはビターオレンジやローストナッツ、ほのかなオークスパイス。
甘さだけを残さず、心地良い余韻と共にゆっくりと消えていきます。
つい蒸留所の名前や熟成年数に目が向きがちですが、時にはその枠組みから少し離れてみるのも悪くありません。
グラスの中にある香りや味わいそのものと向き合う時間もまた格別です。
深紅の名を冠した一杯。
肩肘張らず、自由な気持ちでお楽しみください。
Whisky Burgers Bar
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