ドイツビールの歴史と5種類のビアスタイル / 目黒リパブリック

2021/09/22

ドイツビール

世界最大のビールの祭典、オクトーバーフェストに代表されるビール大国、ドイツ。
今回は、古くから受け継がれた伝統の製法に、混じり気のないスッキリとした味わいが特徴のドイツビールをご紹介いたします。

 

 

ドイツビールの歴史

紀元前4000年以上前メソポタミアで生まれたと言われているビールは、エジプト、ギリシャ、ローマへとその醸造法が伝わり、紀元前1800年頃にはドイツでもつくられていたとされています。

飲料水が不衛生だった中世においては、喉の渇きを潤す飲み水の代わりに安全で栄養価に高い飲料として、また疲れを癒すために高アルコールのビールを薬用として、知識と技術の集まる修道院で品質も高いビールが作られ、世に広まって行きました。

ドイツビールを語る上で忘れてはならない「ビール純粋令」が施行されたのは1516年のこと。

当時のビールの粗悪さを憂いたバイエルン地方の君主、ウィルヘルム4世が「ビールは大麦とホップ、水以外のものを用いて醸造してはならない」と定め、以降ドイツビールの品質を向上させるきっかけとなります。

また中世以前のビールづくりにおいては、ホップの使用は一般的でなく、ハーブやスパイスを用いたグルートビールが主流でしたが、ホップの持つ爽やかな香りや苦味、防腐効果が評価され、ホップビール主流となる流れに一役かったのもビール純粋令でした。

その後17世紀前半に起きた30年戦争ののち、ドイツには300以上の諸国が分立し物資の移動に制限がかかったことから、各国が自国のビールを醸造。

現在ドイツにおよそ6000種類あるとも言われる、豊富な銘柄を誇るドイツビールの基礎となりました。

 

Paularner Hefe Weisse パウラーナー へーフェヴァイス

パウラーナー へーフェヴァイス

5.5% ヴァイツェン

ヴァイスビアは南ドイツ発祥のスタイルで、50%以上の小麦を使用したクリーミーな泡立ちの白ビール。
ヴァイスは白、ヴァイツェンは小麦を意味し同義で用いられ、酵母入りの濁った外観のものは酵母意味するへーフェと合わせて呼ばれます。

パウラーナー社は、バイエルン州の州都ミュンヘンにある1634年設立の歴史ある醸造所で、オクトーバーフェストの6大公式ブルワリーのひとつです。

同社のヘーフェヴァィスはドイツでNo.1のシェアを誇り、優しい酵母の甘みとフルーティーでまろやかな喉越しが特徴。
ややオレンジがかった色合いに、芳醇なバナナやクローヴの香り、柔らかで滑らかな口当たりがお楽しみいただけます。

 

Koestritzer Schwarzbier ケストリッツァ シュバルツ

ケストリッツァ シュバルツ

4.8% シュヴァルツ

黒を意味するシュバルツは、バイエルン地方発祥の黒ビールで、まったりとしたコクのあるスタウトに比べ、シャープでキレのあるややスッキリとした味わい。

1543年創業のドイツで最も古いシュバルツビールの生産者のひとつ、ケストリッツァ醸造所で作られています。

文豪ゲーテが愛したビールとして知られているシュバルツの傑作で、漆黒の外観から想像されるほどの重さはありません。
ロースト香やビターチョコレートを思わせるほろ苦い風味、クリーミーな泡とまろやかな優しい甘みがお楽しみいただけます。

 

Warsteiner Pilsner ヴァルシュタイナー ピルスナー

ヴァルシュタイナー ピルスナー

4.8% ピルスナー

スッキリとした味わいのピルスナーは4種類に分類され、豊かなコクの”クラシック”、薄めの色合いで麦の甘みを感じる”ザウアーレンダー”、明るい黄金色でコクのある”南ドイツ”、ホップの苦味の効いた”ハンゼアティシュ”があります。

1753年創業のヴァルシュタイナー社のピルスナーは、そのうちのザウアーレンダー・ピルスナーの最も代表的な銘柄のひとつ。
オランダ、ベルギーと国境を接するヴァルシュタインという町で醸造されています。
国民に広く支持されている最も人気のあるビールで、透明感のある黄金色が美しい、国内シェアもトップクラスを誇るビールです。

世界的な名水と評されているカイザー・クベッレ泉の天然水を使用しており、口当りが軽くデリケートな味わいです。

 

Schneider weisse Aventinus eisbock シュナイダー アヴェンティヌス アイスボック

シュナイダー アヴェンティヌス アイスボック

11.0% アイスボック

およそ200年ほど前、小麦ビールはバイエルン王室の醸造所でのみ醸造されていましたが、王室は1872年に売上の減少から生産を中止、同年にシュナイダー・ヴァイセの創業者、王室のビール職人だったゲオルク・シュナイダー1世にビールの醸造権利を売却しました。

以来同社では小麦を使用した様々なレシピを開発し、現在 TAP1 から TAP7 までのレギュラービールを製造しています。
TAP7 オリジナルは創業当時のレシピそのままの伝統を守るヴァイスビア、TAP6 アヴェンティヌスはハイアルコールで濃厚な味わいのドッペルボックですが、そこにビールを凍結濃縮してアルコール度数を上げるアイスボック製法を用い、12%まで濃縮したものがアヴェンティヌス アイスボック。

凍結濃縮されたことにより長期熟成にも耐え、マホガニー色でほぼ黒に近い色合いに。
イチヂクやレーズンの豊潤な香りにナツメグなどのスパイス、濃厚なモルトの甘みがより強く感じれられ濃厚な味わいに。
熟したプラムの香りにバナナやクローヴの風味、力強いアロマとフレーバーがお楽しみいただけます。

 

Schlenkerla Rauch Marzen シュレンケルラ ラオホ メルツェン

シュレンケルラ ラオホ メルツェン

5.1% ラオホ

ドイツ南部にある歴史の深いバンベルグに位置する、1678年から続くラオホビアの老舗、ヘラー醸造所。

煙を意味するラオホは、同地における伝統的な醸造方法で、燻したスモーキーな独特なアロマが特徴的なビールです。
3年間寝かせて乾かせたフランケン地方の森のブナを使い、1日以上かけて大麦麦芽を燻製。
少し癖はあるものの、ホップの苦みが少なく口当たりは滑らか、ローストした麦芽の甘みがお楽しみいただけます。

 

Yasutaka Higaki  桧垣泰隆

目黒リパブリック  Burger & Beer 目黒
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