2026/06/23
ウイスキーを飲み進めていくと、蒸留所そのものに興味を持つようになります。
知名度が高い蒸留所はもちろん魅力的ですが、少し視野を広げてみると、普段はあまりスポットライトを浴びることのない名蒸留所に出会えることも少なくありません。
そんな一本との出会いもまた、ウイスキーの楽しみ方のひとつではないでしょうか。
グレンオード 16年 A.D.ラトレー カスクコレクション
Glen Ord 16y A.D.Rattray Cask Collection
今回ご紹介するのは、スコットランド・ハイランド地方に位置するグレンオード蒸留所の1本。
1838年創業と歴史は古く、生産量も決して少なくない蒸留所ではありますが、その多くはブレンデッドウイスキーの原酒として使用されます。
シングルモルトとしてはオフィシャルボトルもリリースされていますが、日本ではあまり流通量が多いとは言えず、BARで見かける機会も決して多くはありません。
だからこそ、ボトラーズからリリースされるグレンオードは少し気になる存在。
今回のボトルは、A.D.ラトレーによるボトリング。
長年にわたり良質なカスクを選び続けてきたインディペンデントボトラーであり、派手さよりも蒸留所本来の個性を大切にしたボトリングが印象的です。
こちらは14年間バーボンホグスヘッドで熟成した後、約18か月間トゥニーポートバリックでフィニッシュ。
近年ではポート樽フィニッシュも珍しくなくなりましたが、樽由来の個性だけを強調するのではなく、グレンオードらしい麦芽の厚みを残したまま、美しくまとまっています。
ブラックチェリーやプラム、ドライイチジク。
バニラクリーム、キャラメルにシナモン。
赤い果実の甘酸っぱさに、ほのかなタンニン。余韻には麦芽のコクがゆっくりと続きます。
ポート樽熟成という言葉だけを見ると、甘さが前面に出る味わいを想像しがちですが、この一本はどちらかと言えばバランスを楽しみたいボトル。
グレンオードという蒸留所の素地があってこそ成り立つ仕上がりと言えるでしょう。
決して派手な存在ではありません。
だからこそ、BARのバックバーで見つけた時には、つい手が伸びてしまう。
そんな一本との出会いがあるから、ウイスキー探しはやめられないのです。
Whisky Burgers Bar
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