2019/11/10
平井のブログ第9弾は今でも数少ないファミリー経営を続けているグレンファークラス蒸留所をご紹介します!
蒸留所はスペイ川の中域、クライゲラヒとタウン・オン・スペイの丁度真ん中あたりに位置しています。グレンファークラスとはゲール語で「緑の草原の谷間」の意。その名の通り、蒸留所が建てられるずっと前から豊かな自然に囲まれていました。
グレンフィデック同様現在も家族経営を行っている数少ない蒸留所で、またブレンデッド用として原酒を一切提供していないという強いこだわりを感じる蒸留所です。
イギリス初の女性首相だったサッチャー首相はグレンファークラス105を毎日飲んでいたとか。
グレンファークラス蒸留所は1836年、ロバート・ヘイにより設立されましたが、1790年代に同地に既に蒸留所があり、蒸留が行われたという記録も残っています。
1865年ロバート・ヘイが他界してしまい、グレンファークラス蒸留所の近くで農業を営んでいた、ジョン・グラントと息子のジョージが蒸留所を購入。しかしグラント親子はすぐにジョン・スミス(グレンリベット の創業者ジョージ・スミスの息子)に蒸留所をリースし、実質的な運営を委任しました。
ジョン・スミスが自ら設立したクラガンモア蒸留所の運営に専念する為、1870年にグラント親子に経営権が戻され本格的にウイスキー作りが初まりました。
グレンファークラス蒸留所は、1968年にスコットランド初のカスクストレングスのボトルを発売した蒸留所であり、これが後のグレンファークラス105に繋がります。
蒸留所の後ろにはベンリネス山があり、仕込み水はベンリネス山の中腹から湧き出る極めて良質な軟水を使用しています。
ポットスチルはスペイサイドでも最大サイズであるボール型を使用。初留3基、再留3基の計6基が設置されており、ガスによる直火焚きです。
熟成に使用する樽はファーストフィルからセカンドフィルのシェリー樽。これらの多くはスペインのアンダルシアにて、オロロソシェリー酒の熟成に使用されていたものです。
昔ながらの製法を守り続け、数少ないファミリー経営を営むグレンファークラス蒸留所。是非一度召し上がってみてください!