グレンゴイン蒸留所 15年 初心者向けのハイランドモルトウイスキーをレビュー / 中野 Whisky Burgers

2025/04/28

in: WHISKY BAR Whisky Burgers Scotch whisky

グレンゴイン15年

ウイスキービギナーの方でも抵抗少なく飲めるモルトウイスキーと言えば何を思い浮かべるでしょうか。
定番どころでいくつか候補はありますが、ちょっと外してニクいチョイスでご紹介。

 

Glengoyne 15y
グレンゴイン 15年

1833年創業、老舗のグレンゴイン。日本での知名度はあまり高くないように思われますが、長い歴史を持つ蒸留所。

ハイランド地方とローランド地方のちょうど境目に位置しており、蒸留所はハイランド、道路を挟んで倉庫はローランドに。
仕込み水はハイランドのダムゴインの泉から汲み上げられているためハイランドモルトに分類されていますが、グラスゴーなど都市部からのアクセスも申し分なく気候も比較的穏やかであることから、観光客も繁く訪れる両地方の強みを持った蒸留所です。

創業してから長らくはカティサークやフェイマスグラウスのブレンド用原酒製造をメインに稼働しておりましたが、1990年代初頭からはシングルモルト製造にも着手。
2003年にイアンマグロード社に所有が移ったのちにその動きはさらに強まり、モルトファンも目を離せない蒸留所となりました。

ピートを一切焚かずに麦芽を乾燥、発酵・蒸留もゆっくりと時間をかけて行うことで、グレンゴインの特徴である柔らかくスムースな酒質が生まれます。
今回ご紹介の15年はバーボン樽とファーストフィルシェリー樽を熟成に使用。
奥行きを保たせながらもバランスに優れた仕上がりです。

テイスティングノート
バナナやシロップ漬けのみかんのエステル。ほのかにアーモンド。
クリーミーで滑らかなテクスチャー、麦の香ばしい甘さが広がり、後半はカカオが印象的に残ります。
心地良く余韻が続き、棘のない綺麗なフィニッシュ。

飲み疲れせず、それでいてモルトの美学を感じ取れる秀でたウイスキーです。
ここから沼に浸かりましょう。

 

Keisuke Kosaka 小坂啓輔

Whisky Burgers Bar
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