オフィシャルボトルで飲み比べたいアイラモルトウイスキー / 恵比寿 VinSanto

2022/03/28

アイラモルト

当店ヴィンサントはスコッチウイスキーのボトラーズを中心に、約100種類以上のウイスキーをラインナップ。
本日は、これからウイスキーを覚えていきたい、という方の為にまずは必ず抑えておきたいアイラモルトの基本をご紹介致します。

 

 

ピート香とは?

そもそもピート香とはなんでしょうか?

ピートとは、泥炭を意味する言葉でコケや海藻、植物などが枯れて堆積した自然炭化したものの総称です。
スコットランドは低温多湿な自然環境で、非常に多くのピートが採れることでも有名です。
ウィスキーを作る作業の際、原料となる大麦の麦芽を乾燥させるのですがこの時にピートを焚いてその独特の香りを大麦麦芽に移すことによって、ピート香と言われる独特なスモーキーフレーバーを持ったウィスキーが生まれます。

ちなみにこのピート香、日本ではよく正露丸などの薬品や消毒液、煙くさいなどの表現をされますね。これだけ聞くと、とても飲みたくなるようなイメージは湧かないと思うのですが、世界中のモルトファンを虜にする魅力を持っているのがピート香なのです。
中でも特に強いピートと個性で知られるのがスコットランドはアイラ島のウィスキー、アイラモルトです。

 

ピートマニアの聖地 アイラ島

ピートに取り憑かれたウィスキー飲みが必ずたどり着くのがアイラモルト、といっても過言ではないでしょう。
スコッチウィスキーの中でも特別強いピート香と個性を持ったクセの強い銘柄が揃っています。

アイラ島はスコットランドの島で面積600km2、人口約3000人程度と決して大きくはない島ですが、ウィスキー産業と観光が非常に盛んで特に世界中のピートウィスキー飲みからは「聖地」として崇められる存在です。
各地にある蒸留所の中にはビジターセンターや宿泊施設なども備えたところもあり、蒸留所見学のツアーなども頻繁に行われているようです。

ウィスキーファンならば一度は訪れたい聖地、それがスコットランドのアイラ島なのです。

 

Laphroaig ラフロイグ

ラフロイグ

1815年創業の蒸留所で、名前の由来はゲール語で「広い入り江の美しい窪地」の意味があるラフロイグ 。

ラフロイグは、ポートエレンや本土の精麦工場から35〜40ppmの麦芽を仕入れている他、フロアモルティングによる自家製麦も行っており、その自家製麦用のピートの採掘場が海藻の成分を多く含むらしく、そこから生まれる独特のフレーバーがラフロイグの特徴となっています。
よく、燻製や消毒、病院の香り、正露丸などと表現される唯一無二のフレーバーは、「好きな人は徹底的に好き。嫌いな人は徹底的に嫌い」と言われ、チャールズ皇太子が大好きで、プリンス・オブ・ウェールズのロイヤルワラントを持っています。
非常に男性的なアイラモルトの代表格ですね。

 

Ardbeg アードベグ

アードベッグ

1815年創業の蒸留所で、アイラ島の住人のジョン・マクドゥーガルによって建設されたアードベグ。
それ以降マクドゥーガル家によって運営されてきましたが、1973年にハイラムウォーカー社とDCL社によって買収されました。
しかしながら1981年にウイスキー不況によって閉鎖が決定。
1997年にグレンモーレンジィ社が買収し、それ以降のモルトブームに乗り、挑戦的なボトルを多数リリースすることで復活。

現在は「アードベギャン」と言われる熱狂的なアードベッグファンを生み出している人気の蒸留所ですね。

名前の由来はゲール語で「小さな岩礁」。
ピートの強さは60ppmで、アイラ島で通常リリースされているものの中では最も強いことでも知られています。
年に一度のアードベグデーにリリースされる限定のボトルが毎回非常に個性的でチャレンジ精神に溢れた銘柄で、こちらも特別人気のあるボトルとなっています。

 

Lagavulin ラガヴーリン

ラガヴーリン

1816年創業の蒸留所で、名前の由来はゲール語で「水車小屋のある窪地」。
もともとはアイラ島の密造の中心地だった場所らしく、10以上の密造所が密集していたそうです。
創業者はジョン・ジョンストンですが、ジョンの死後、買収を重ね、エジンバラ出身のジェームズ・ローガン・マッキーがオーナーとなります。
ピートの強さは34〜38ppmでアイラモルトの中ではミディアム程度のフェノール値ではありますが、重くどっしりとした風味が特徴のウイスキー。
多くの蒸留所のスタンダードが10年、12年なのですが、ラガヴーリンのスタンダードは16年と長めの熟成期間なのも特徴的です。

 

Bowmore ボウモア

ボウモア

ボウモア蒸留所は1779年創業と、現存するアイラ島の蒸留所では最も古い蒸留所です。
スコッチの全蒸留所でも2番目に古い、非常に歴史のある蒸留所なのです。
名前の由来はゲール語で「大いなる岩礁」。
ボウモアの特徴は伝統的なフロアモルティングを行っていることで、独自のピートの採掘場から取ったピートで乾燥を行っています。
採掘場がアイラ島中央部の高台にあるため、他の採掘場とは違う成分になっていることから、アイラの他のピートよりも穏やかな風味となっています。
フェノール値の強さは25〜30ppmで、アイラモルトの中では比較的ライトなほう。麦芽由来の風味がピートに押されること無く、甘さとピートのバランスがとれた上品な味わいから「アイラの女王」などと称されます。
アイラビギナーの方はまず、このボウモアからスタートしてみるのもいいかもしれませんね。

Caolila カリラ

カリラ

1846年創業の蒸留所で、名前の由来はゲール語で「アイラ海峡」。
アイラ島と隣の島のジュラ島の間の海峡を意味しており、その近くに建設された蒸留所です。
特徴はアイラ島で最も生産量が高い蒸留所ということで、650万リットルを誇ります。
所有している会社はディアジオで、ディアジオは多くの蒸留所を抱え、多くのブレンデッドウイスキーをリリースしており、その中でもトップブランドのジョニーウォーカーの原酒の一つがカリラとなっており、ジョニーウォーカーブランドを支える蒸留所。
ピートの強さは34〜38ppmで、これはラガヴーリンで使用されている麦芽と同じものです。
同じ麦芽なのに大きく味が違うのは、各々の製造ポリシーに則った蒸留設備や手法の違いによるもので、比較が大変おもしろい2つの蒸留所ですね。
大規模な蒸留所のため、設備も大きく、1回の仕込み量もアイラモルト最大級。その為、安定したリリースがありボトラーズからの銘柄も多く、昨今価格高騰が激しいアイラモルトの中では比較的リーズナブルに色々なボトルを楽しむことが出来るのも嬉しいですね。

 

Naoshi Morioka  森岡尚史

VinSanto Bar & Whisky shop 恵比寿
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