季の美 京都蒸留所 ジャパニーズクラフトジンの先駆者 ロンドンと京都の芸術品 / 中野 Whisky Burgers

2024/08/05

in: SPIRITS＆LIQUEUR BAR Whisky Burgers Gin

季の美

当店Whisky Burgersではウイスキー以外にも日本国内で製造されるクラフトジンもいそいそと集め取り揃えております。
近年全国各地でご当地ならではのジンが造られておりますが、その先駆けとなったのが今や広く知られることとなった京都の季の美。
今一度深く掘り下げて解剖してみましょう。

 

KINOBI Kyoto distillery
季の美 京都蒸留所

京都蒸留所の誕生は遡ること10年、2014年のこと。デービッド・クロール氏、角田紀子・クロール氏、マーチン・ミラー氏の3人の同志によって設立されました。
元々この3名はウイスキー業界に従事しており、クロール両氏は90年代からスコットランドのシングルモルトウイスキーの輸入代理店を営み、ミラー氏は英国のウイスキー専門誌の編集長を務めていたそう。
背景にウイスキーがあるという点も当店としてはシンパシーを感じずにはいられません。

ウイスキーを通じて仕事を共にすることもあり、親交を深めていたこの三銃士は2005年に今度は日本のシングルモルトウイスキーを世界に広めるべく Number One Drink s社を設立。
兼ねてよりジンのファンであったことも高じ、新たな挑戦となるプロジェクトとして京都にジン製造に特化した蒸留所の設立を計画することとなります。

本場ロンドンドライジンのスタイルと伝統ある京の都が醸し出す『和』の融合をコンセプトに試行錯誤を重ね、創業から2年後の2016年に看板となる季の美が日の目を浴びることに。
季の美に使用されている原料はそのほとんどが京都産。厳選された11種類のボタニカルが唯一無二のクラフトジンに成り立たせています。

味わいや香りでボタニカルを6つの要素に分け、それぞれを別々に蒸留。手間を惜しまず丁寧に造られているのが分かります。
割合として全体の約半分を占め、ジンの骨格となる「礎」ベースはジュニパー、オリス、赤松。
「柑」シトラスは日本固有の柚子とレモン。
アクセントとなる「凛」ハーバルに山椒と木の芽。
「辛」スパイスとして生姜で引き締め、京都らしさを生み出す「茶」ティーは玉露。
そして奥行きを加える赤紫蘇と笹は「芳」フルーティ＆フローラル。
全てのエレメントに和のエッセンスが散りばめられ、ライススピリッツの中で溶け合い、読んで字の如く「和」のジンを織りなします。

包み込むような柑橘と生い茂るグラッシーでウッディなアロマは、伝統的な日本家屋の畳の間や少年時代に駆け回った林など、どこか懐かしい日本の原風景を想起させます。
舌先に甘みを感じながら山椒と玉露のニュアンスがほろ苦く、味わいを洗練。複雑な香りが充満しつつも、くどさのない澄んだ口あたり。

シンプルな水割りやソーダ割りはもちろん、トニックや他の和の素材を合わせたカクテルにしても活躍してくれます。
改めて、クラフトマンシップと京都の魅力を感じながらご賞味ください。

 

Keisuk Kosaka 小坂啓輔

Whisky Burgers Bar
中野／東京都中野区中野2-30-8 立川ビルB1
03-5340-5808
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