リンクウッド蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision

2022/04/12

リンクウッド

リンクウッド蒸留所について、徹底解説していきます。

  1. リンクウッドの地理
  2. リンクウッド蒸留所データと蒸留設備
  3. リンクウッドの解説
  4. リンクウッドの主なラインナップ
  5. リンクウッドの年表

 

リンクウッドの地理

生産国:スコットランド
地域:スペイサイド

 

リンクウッド蒸留所データと蒸留設備

所有者:ディアジオ社
設立年:1821年
年間生産能力:560万リットル
仕込水:ミルビュイズ湖近くの泉
糖化槽:ワンバッチ12.5トン
発酵槽:カラ松11基
蒸留器:初留3基、再留3基
熟成庫:

 

リンクウッドの解説

リンクウッド蒸留所はスペイサイドのマレイ州の中心地、エルギンにある蒸留所で、名前の由来はその土地にあった貴族の邸宅の名前からつけられたそうです。
蒸留所の創業は1821年で、土地の名家のピーター・ブラウン氏が創業。その後約100年ブラウン家が経営していましたが、1933年にスコティッシュ・モルト・ディスティラリー社が経営を引き継ぎ、1936年にDCL傘下に入りました。
リンクウッドの有名なエピソードとしては、DCL時代の蒸留所マネージャーのロデリック・マッケンジー氏が有名な一徹者で、味を変える恐れがあるものはすべて反対し、スチルハウス内のクモの巣を取り払うことすら禁止したとの話が残っています。
また、蒸留所の冷却水を貯めておく池には白鳥が毎年飛来してくるということで、蒸留所のシンボルとして蒸留所の倉庫のドアなどにデザインされています。

1971年に蒸留所を大改修し、蒸留器を4基追加、こちらをリンクウッドB、もともとの古い方をリンクウッドAとして運営していましたが、リンクウッドAは2013年で閉鎖。
その代わりリンクウッドBに新たに2基蒸留器を追加して、現在は6基の蒸留器で稼働しています。(海外資料だとリンクウッドAは1996年までとなっています。調査中)
リンクウッドの生産上の特徴は、発酵時間がショートとロングの2種類あり、ショートは65時間、ロングは105時間となっています。
また、リンクウッドはシングルモルトでリリースされることはほとんどなく、ジョニーウォーカーやホワイトホースの主要原酒として使われています。ブレンデッド用に出荷される量が99%で、シングルモルトはボトラーズでリリースされます。
現在当店にある在庫もボトラーズです。

 

リンクウッドのラインナップ

リンクウッド 2009 12年 ヒドゥンスピリッツ++

リンクウッド 2009 12年 ヒドゥンスピリッツ

日本の新しいボトラーズ&輸入業者の Rudder がリリースするシェリー樽熟成のリンクウッド。
1821年が蒸留所創業年ということから、2021年に200周年を記念して特別に日本向けにボトリングしてもらったボトルになります。
渋みのある甘さではない上品な甘さがあり、落ち着いて飲める1本です。

 

スコッチモルトウイスキーソサエティ 39.130

スコッチモルトウイスキーソサエティ 39.130  Zing like the ping of a musical string
バーボン樽で26年熟成されたソサエティのボトル。
音楽のストリングのような軽快さという意味のボトルで、爽やかな風味の中にもしっかりとした熟成の樽感を感じられるボトルです。

 

スコッチモルトウイスキーソサエティ 39.136

スコッチモルトウイスキーソサエティ 39.136  An Ode to Nature

こちらもバーボン樽で26年熟成されたソサエティのボトル。
自然の歓喜という名前のボトルで、ハーブなどのフローラルな香りとチェリー系を感じる上品で深みのあるボトルです。

 

リンクウッドの年表

1821年 ピーター・ブラウン氏が蒸留所を創業
1868年 ピーター・ブラウンが他界し、息子のウィリアムがあとを継ぐ
1872年 ウィリアムが蒸留所を取り壊し、新しい蒸留所を建設
1897年 リンクウッド・グレンリベット・ディスリラリー社が運営を引き継ぐ
1902年 エルギンのウイスキートレーダーのイネス・キャメロン氏が取締役に加わり、最終的に大株主となる
1932年 イネス・キャメロン氏が他界し、スコティッシュ・モルト・ディスティラリー社が1933年に経営を引き継ぐ
1962年 大規模改修を実施
1971年 蒸留器を4基増設。その4つの蒸留器は新しい蒸留所のリンクウッドBで使用。
1985年 もともとあった蒸留器2基で蒸留していたリックウッドAを閉鎖
1990年 リンクウッドAを年に数ヶ月だけ稼働(1996年まで)
2002年 1975年蒸留26年熟成をレアモルトシリーズとして発売
2005年 1974年蒸留30年熟成をレアモルトシリーズとして発売
2008年 3つのウッドフィニッシュ(すべて26年熟成)を発売
2009年 マネージャーズチョイス1996を発売
2013年 蒸留器を2基増設
2016年 37年熟成を発売
2021年 39ねプリマ&ウルティマを発売

 

Wataru Kobayashi 小林渉

Vision Whisky Bar ヴィジョン
吉祥寺/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
0422-20-2023
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