アラン 10年ロックランザ蒸留所バーテンダーが選ぶ推しのシングルモルトウイスキー / 中野 Whisky Burgers

2024/11/25

in: WHISKY BAR Whisky Burgers Scotch whisky Vin Sun Bar Algernon Sinfonia

はじめの一本。モルトラヴァーの方ならば、ウイスキーの沼にハマるきっかけとなった一本がそれぞれあるのではないでしょうか。
僭越ながら私のそのオリジンを改めまして、ご紹介させていただこうと思います。

Arran 10y Single Malt Lochranza
アラン 10年シングルモルトロックランザ

スコットランド本島西部、クライド湾に臨む島がアラン島。かつてはウイスキー造りが盛んに行われ、50以上の蒸留所がひしめき合っていたそうですが、時代の流れと共にその数は減少。
1837年には全ての蒸留所が閉鎖してしまい、アラン島のウイスキーは一度幕を下ろします。

しかし、約一世紀半もの幕間に終止符を打ったのが当時の旧アイルオブアラン蒸留所（現ロックランザ蒸留所）です。

スコッチウイスキー業界に長く従事したハロルド・カリー氏が、齢七十にして自分の蒸留所を持ちたいという夢を叶えて1995年に設立。
独立資本による経営、シングルモルトとして飲むためのウイスキー造りを掲げ、以降クラフトウイスキーの草分けとしても知られるようになります。

実はかつてアラン島で多くの蒸留所が稼働していたのにも納得の理由があり、スコットランドの遍く地形や地質学的な特徴を兼ね備えていることから「スコットランドのミニチュア」と呼ばれ、良質な水源や熟成に適した気候という大きなアドバンテージを持っていたのです。

十分な熟成期間を経た原酒を安定して供給できるようになってから軌道に乗り、今では時に入手困難となるほどの人気を博すウイスキーとなりました。
そのフラッグシップボトルがアラン10年です。

テイスティングノート
香りは蜂蜜をかけたアイスクリーム、溶かしたバターとビスケット。
口に含むとバニラに林檎、ジンジャーとレモンやオレンジのピールと目眩く味わいの変化を見せ、フィニッシュはシナモンのニュアンスとホールホワイトペッパーを噛み砕いたかのような余韻がじんわりと残ります。

温かみのあるボトルデザインも相まって、どこか懐かしさも感じさせる甘くやさしいウイスキー。
是非貴方のアルバムにもお収めください。

アラン 10年 ロックランザ蒸留所 バーテンダーが選ぶ推しのシングルモルトウイスキー / 中野 Whisky Burgers