ミクターズ蒸留所 US★1 ストレートライ アメリカ最古のルーツを辿る / 中野 Whisky Burgers

ミクターズライ

アメリカンウイスキーと言えばと問われると、代表的なものとしてバーボンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、かつてアメリカで広く親しまれ近年復権の兆しも見せているのがライウイスキー。ひとつ銘柄をピックアップしその歴史と共にご紹介して参ります。

 

Michter’s US★1 Straight Rye Whisky
ミクターズ US★1 ストレートライ

ケンタッキー州ルイビルに所在するミクターズ蒸留所。
その出自を辿ると18世紀に遡ります。

1753年、ペンシルベニア州に設立されたシェンクズ蒸留所。
アメリカ最古の蒸留所と言われており、当時米国内で主流な穀物であったライ麦を原料としたウイスキーの製造を発展させました。
その後19世紀に事業継承しボンバーガー蒸留所に。この頃にはライウイスキーはアメリカ伝統のスタイルとして確立されていましたが、20世紀前半になると禁酒法の煽りを受け一時閉鎖。
禁酒法撤廃後に操業をリスタート、1950年代に新たに所有が移り、当時のオーナーの息子二人の名前からミクターズと改めます。

紆余曲折の変遷を経たミクターズですが、1980年代に入るとバーボンウイスキーの隆盛により徐々に衰退し1989年には二度目の閉鎖に追い込まれました。

しかしながら、1990年代に現在もオーナーを務めるジョセフ・J・マリオッコ氏の手により再びの復活。
昔ながらの伝統を守る少量生産、高品質志向のクラフトウイスキーメーカーとして注目を浴びることとなり、2010年代にはケンタッキー州に拠点を移転し現在の体制を確立。
スモールバッチでクオリティの徹底、製造工程は手作業重視、原料調達から瓶詰までの一貫し管理により、信頼できるディスティラーとしてアメリカンライウイスキー復興の象徴的存在と呼ばれるに至りました。

ここまで追ってみるとミクターズの歴史はライウイスキーの歴史そのものとも言っても過言ではなく、ロマンを感じずにはいられません。

ミクターズがリリースするストレートライはライ麦を中心にモルト、コーンを原料に使用。アメリカンホワイトオーク樽で5年以上の熟成を施した1本です。

トップノートは濃厚なキャラメルの中にオレンジやライムのピール、切り出した木材。
口に含むとバニラや蜂蜜の柔らかな甘みとライ特有のスパイシーな味わい、ホップを思わせる爽快感やほのかな苦味が複雑に絡み合います。
フィニッシュはドライでいながらもカカオとオークの余韻が残り、深く深く続きます。

オンザロックやクラシックカクテルのベースにも。
ライウイスキーの歴史に思いを馳せながらご堪能ください。

 

Keisuke Kosaka 小坂啓輔

Whisky Burgers Bar
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