スコッチモルトウイスキー解説評価 オクトモア13シリーズ / 吉祥寺 Vision

オクトモア13

オクトモアの今年のリリース、13.1、13.2、13.3がリリースされました。
こちら3種類のボトルに関して解説していきます。

 

オクトモアのブルックラディ蒸留所とは

オクトモアはブルックラディ蒸留所が製造している3種類のウイスキーのうちの一つです。
ブルックラディ蒸留所はアイラ島にある蒸留所で、1881年創業。創業当初よりノンピート麦芽での製造をしていた、アイラ島でも珍しい蒸留所です。
これは、都市部でピートの無い飲みやすいウイスキーが求められていたという当時の事情と、産業革命により物流が活発化し、蒸気船から石炭を購入することができ、ピートを焚かない製造ができる環境が整ったという経緯があります。
2000年にマーク・レイニエ氏が買収、製造責任者にジム・マキューワン氏が就任してから、伝統的なノンピート麦芽以外の製造にも乗り出します。
現在は、ノンピートのブルックラディ、40ppmのヘビリーピーテッド麦芽で作るポートシャーロット、80ppm以上の麦芽で作るオクトモアの3種類を製造しています。

 

オクトモアの解説

オクトモアはブルックラディ蒸留所が製造しています。80ppm以上のヘビリーピーテッド麦芽で製造、これまで1年に1回の周期で発売されている限定商品です。
80ppm以上の麦芽と記載していますが、製造都度フェノール値が変わります。
これには事情があります。

ブルックラディ蒸留所は蒸留所内に製麦設備を持っておらず、スコットランド本土のインバネスにあるベアーズ社に製麦を依頼しています。
ベアーズ社は0ppmの麦芽をブルックラディ用として、40ppmの麦芽をポートシャーロット用として製造、納品していたのですが、蒸留所のスタッフが確認した際、実はポートシャーロット用の麦芽は80ppmで製造し、そこに0ppmの麦芽を同じ量ブレンドして作っていることが判明しました。
それを知ったその当時の蒸留責任者のジム・マキューワン氏は、80ppmのまま納品してもらい超ヘビリーピーテッドのウイスキーを作ってみようということになり製造を開始したのがオクトモアです。

その後のオクトモアは、80ppm以上で、実験的により強くピートを焚く麦芽を使用するようになり、毎年、リリースごとにフェノール値が違うものがリリースされます。
ただしこれはどんどん強いものがリリースされていくという話ではなく、焚き上がって測ってみたら前回より弱かったということもあるということと、強いピートのものと弱いものが熟成のタイミングにより製品としてリリースされるのが前後することもあります。

また、オクトモアに使用される麦芽は、5日〜7日かけて非常にゆっくりとピートを焚く事により、麦の特徴を壊さずに最もピートの強い状態に持っていくことを意識して作られており、そのためフェノール値の数値目標は設けていないそうで、仕込みの都度フェノール値が変わるのはこのためです。
ちなみに通常はピートは20時間〜2日ほど焚くのが一般的、更に目的のフェノール値になったらピートを焚くのをやめて無煙炭やブタンガスなどの煙の出ない加熱方法に切り替えるのが一般的なため、オクトモアがどれだけ手間をかけて作られているかがよくわかります。

オクトモアは、リリースの際に番号が振られており、今年のリリースは12.1、12.2、12.3となっています。
この12というのが12年目のリリースという意味、小数点以下の数値はそれぞれ意味があったのですが、去年くらいから少しずつ変わってきています。

6.xシリーズ以降、小数点以下は下記のようなルールでナンバリングされていました。
・小数点以下1はバーボン樽熟成主体の一番多く製品化される主力商品
・小数点以下2はワイン樽熟成をブレンドされ空港免税店限定ボトルとしてリリースされる入手困難な限定品
・小数点以下3はアイラ島産の麦だけで製造
・小数点以下4はヴァージンオーク熟成をブレンドした限定品
(5.x以前はここまで種類が多くなく、小数点以下1と2で2がアイラ島産の麦だった時期があります)
また、年によって、x.4はリリースされないという年もあります。

それが新型コロナの流行により、空港免税店限定ボトルの11.2が急遽ブルックラディオフィシャルサイトでの限定通販となり、今年の13.2は正式に輸入されました。
また、今年は13.4のリリースはありません。

 

オクトモア13.1

オクトモア13.1

スコットランド産コンチェルト種の大麦を100%使用。2015年収穫の大麦を使用し、フェノール値137.3ppmでモルティング。
アメリカンオーク樽を使用し、5年熟成させたものとなっています。
ノンチルフィルター、ノンカラーリングでアルコール度数は59.2%。
製造責任者のアダム・ハネット氏は、x.1のシリーズはアメリカンオークで5年熟成というのを基準としているそうで、オクトモアの基本型とも言えます。

強い燻製香はもちろんなのですが、バニラや柑橘、力強い麦芽のフレーバーはピート好きならぜひ一度飲んでみていただきたい1本です。

 

オクトモア13.2

オクトモア13.2

スコットランド産の大麦を100%使用、2015年収穫の大麦を使用し、フェノール値137.3ppmでモルティング。
ノンチルフィルター、ノンカラーリングで、アルコール度数は87.3%
13.1との違いは、フェルナンド・デ・カスティーのリャオロロソシェリーバットで熟成されたもので、こちらの樽は実際のソレラに使われていた樽を使用するという贅沢な作りとなっています。

シェリー樽熟成によるナッツやシトラスのフルーツの香りと鋭い燻製香が両立する、樽熟成の面白さを楽しめる1本で、ぜひ13.1と飲み比べていただきたいボトルです。

 

オクトモア13.3

オクトモア13.3

ブルックラディ蒸留所から3キロしか離れていない場所にある「ジェームズ・ブラウン農場」で製造されたコンチェルト種の麦芽を100%使用しています。
2015年収穫の大麦を2016年に蒸留し、フェノール値は129.3ppm。ノンチルフィルター、ノンカラーリングでアルコール度数は12.1%です。
ファーストフィルアメリカオーク樽熟成とセカンドフィルヨーロピアンオーク樽熟成ブレンド。

アイラバーレイ独特の土っぽい風味が大変重厚、適度な塩っぽさ、強い燻製香が特徴的です。

当店では3本並べて飲み比べというのが流行っています。
ぜひ一度に飲み比べしたいという方、ぜひお待ちしております。

 

Wataru Kobayashi  小林渉

Vision  Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
Google Map  武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
Facebook
Instagram

Related articles

Back to Top