スコッチモルトウイスキー 解説評価 オクトモア / 吉祥寺 Vision

オクトモア

オクトモアの今年のリリース、12.1、12.2、12.3がリリースされました。
こちら3種類のボトルに関して解説していきます。

 

オクトモアを生産するブルックラディ蒸留所とは?

オクトモアはブルックラディ蒸留所が製造している3種類のウイスキーのうちの1つです。
ブルックラディ蒸留所は、ノンピートのブルックラディ、40ppmのヘビリーピーテッド麦芽で作るポートシャーロット、80ppm以上の麦芽で作るオクトモアの3種類を製造しています。

ブルックラディ蒸留所に関しては過去の記事で詳細解説していますので、ぜひそちらもご確認ください。

スコッチモルトウイスキー解説評価 ブルックラディ蒸留所

 

オクトモアの解説

オクトモアはブルックラディ蒸留所が製造しています。80ppm以上のヘビリーピーテッド麦芽で製造、これまで1年に1回の周期で発売されている限定商品です。
80ppm以上の麦芽と記載していますが、製造都度フェノール値が変わります。これには事情があります。
ブルックラディ蒸留所は蒸留所内に製麦設備を持っておらず、スコットランド本土のインバネスにあるベアーズ社に製麦を依頼しています。ベアーズ社は0ppmの麦芽をブルックラディ用として、40ppmの麦芽をポートシャーロット用として製造、納品していたのですが、蒸留所のスタッフが確認した際、実はポートシャーロット用の麦芽は80ppmで製造し、そこに0ppmの麦芽を同じ量ブレンドして作っていることが判明しました。
それを知ったその当時の蒸留責任者のジム・マキューワン氏は、80ppmのまま納品してもらい超ヘビリーピーテッドのウイスキーを作ってみようということになり製造を開始したのがオクトモアです。
その後のオクトモアは、80ppm以上で、実験的により強くピートを焚く麦芽を使用するようになり、毎年、リリースごとにフェノール値が違うものがリリースされます。
ただしこれはどんどん強いものがリリースされていくという話ではなく、焚き上がって測ってみたら前回より弱かったということもあるということと、強いピートのものと弱いものが熟成のタイミングにより製品としてリリースされるのが前後することもあります。
また、オクトモアに使用される麦芽は、5日〜7日かけて非常にゆっくりとピートを焚く事により、麦の特徴を壊さずに最もピートの強い状態に持っていくことを意識して作られており、そのためフェノール値の数値目標は設けていないそうで、仕込みの都度フェノール値が変わるのはこのためです。
ちなみに通常はピートは20時間〜2日ほど焚くのが一般的、更に目的のフェノール値になったらピートを焚くのをやめて無煙炭やブタンガスなどの煙の出ない加熱方法に切り替えるのが一般的なため、オクトモアがどれだけ手間をかけて作られているかがよくわかります。

オクトモアは、リリースの際に番号が振られており、今年のリリースは12.1、12.2、12.3となっています。
この12というのが12年目のリリースという意味、小数点以下の数値はそれぞれ意味があったのですが、去年くらいから少しずつ変わってきています。
6.xシリーズ以降、小数点以下は下記のようなルールでナンバリングされていました。
・小数点以下1はバーボン樽熟成主体の一番多く製品化される主力商品
・小数点以下2はワイン樽熟成をブレンドされ空港免税店限定ボトルとしてリリースされる入手困難な限定品
・小数点以下3はアイラ島産の麦だけで製造
・小数点以下4はヴァージンオーク熟成をブレンドした限定品
(5.x以前はここまで種類が多くなく、小数点以下1と2で2がアイラ島産の麦だった時期があります)
また、年によって、x.4はリリースされないという年もあります。

それが新型コロナの流行により、空港免税店限定ボトルの11.2が急遽ブルックラディオフィシャルサイトでの限定通販となり、今年の12.2は少数生産品として正式に輸入されました。また、今年は12.4のリリースはありません。

 

Octomore 12.1 オクトモア12.1

オクトモア121

スコットランド産コンチェルト種の大麦を100%使用。2014年収穫の大麦を使用し、2015年に蒸留したもので、フェノール値は130.8ppm。
ファーストフィルのアメリカンオーク樽を使用し、5年熟成させたものとなっています。
ノンチルフィルター、ノンカラーリングでアルコール度数は59.9%。
製造責任者のアダム・ハネット氏は、x.1のシリーズはアメリカンオークで5年熟成というのを基準としているそうで、オクトモアの基本型とも言えます。
強い燻製香はもちろんなのですが、バニラや柑橘、力強い麦芽のフレーバーはピート好きならぜひ一度飲んでみていただきたい1本です。

 

Octomore 12.2 オクトモア12.2

オクトモア12.2

スコットランド産コンチェルト種の大麦を100%使用、2014年収穫の大麦を2015年に蒸留。フェノール値は129.7ppm。
ノンチルフィルター、ノンカラーリングで、アルコール度数は57.3%
ファーストフィルのアメリカンオーク樽熟成原酒を50%、セカンドフィルのアメリカンオーク樽を50%をブレンドし、2019年よりファーストフィルソーテルヌ樽で追加熟成した5年熟成のウイスキーです。
以前オクトモア4.2というものがソーテルヌ樽熟成でリリースされ、大変人気アイテムだったことあり、自信作としてリリースされた1本。
蜜のような甘さとスモーキーフレーバーの融合が素晴らしい1本で、私の見ている限り今回の3本のリリースの中でネットでの評価が一番良いボトルです。

 

Octomore 12.3 オクトモア12.3

Octomore 12.3

ブルックラディ蒸留所から6キロしか離れていない場所にある「オクトモア農場」で製造されたコンチェルト種の麦芽を100%使用しています。
2014年収穫の大麦を2015年に蒸留し、フェノール値は118.1ppm。ノンチルフィルター、ノンカラーリングでアルコール度数は62.1%です。
ファーストフィルアメリカオーク樽熟成を75%、ファーストフィルペドロヒメネス樽熟成を25%ブレンド。
オクトモア農場は以前は少量ですがウイスキーを作っていたそうで、そのオクトモア農場で作られた麦芽で作るオクトモアの中のオクトモアといえます。

ペドロヒメネス樽由来のコクのある甘さ、ドライフルーツの風味、強い燻製香が心地よく、最初に香りを嗅いだときにはその燻製香の強さにびっくりするのですが、徐々に飲み勧めていくと甘さとのバランスの絶妙さに驚く絶品モルトです。

今回の3本のリリースの中では私はこのボトルが一番好きです。

3種類揃っているお店はなかなか無いと思いますので、ぜひ一度に飲み比べしたいという方、ぜひお待ちしております。

 

Wataru Kobayashi  小林渉

Vision  Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
Google Map  武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
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