2020/11/01
元祖ビルスナーという意味の名前を持つチェコビール、ピルスナーウルケル。
チェコのピルゼン地方で1842年から生産されているビールですが、一説には従来から作っていたビールを仕込もうとしたところ、醸造が失敗して偶然作られたとされています。
一般的に軟水は色が淡くすっきりとした味わいのビールに、硬水は色が濃くまったりとした味わいのビールに適していると言われ、ピルスナー・ウルケルも醸造の際に軟水を使用しています。
その後、麦汁を煮沸し麦芽を糖化する工程に入りますが、その際”デコクション”と呼ばれる古典的な方法を用いています。
デコクション法は麦汁を何回も煮沸しながら段階的に糖化させていく方法ですが、温度を一定に保つインフュージョン法と比べてコクやまろやかさが引き立ち、奥行きのある味わいになると言われています。
ピールスナー・ウルケルはこの工程を3回も行い、コクのある味わいのボヘミアン・ピルスナーと呼ばれるスタイルを作り上げました。
アルコール度数は低く、ホップの苦みは強め。
モルトの風味とホップの香りをうまく引き出した、ピルスナー・ウルケルは、今日の一般的なビール、ピルスナーの元祖であり、ラガースタイルのビールの醸造方法の基礎となっています。
またピルスナー・ウルケルの楽しみ方はそのままの味わいだけでなく、注ぐ時に炭酸や泡の量を変えることで異なる味が生み出されます。
「ハラディン」カと呼ばれるピルスナーの伝統的な注ぎ方は、まず泡を入れてから、泡の下にビールを入れて作る、今日で一般的なラガータイプのビールの注ぎ方。
炭酸が少なく喉越しが良いとされ、もっとも定番に飲まれています。
醸造家たちが開栓したばかりの樽内のビールをテイスティングする時に飲んでいた方法は、「シュニット」と呼ばれ、泡とビールが約1:1で注がれる方法。
最近ではインスタグラム等で専用グラスに注がれたこの注ぎ方のピルスナー・ウルケルをよく見かけるようになりました。
「ミルコ」と呼ばれる注ぎ方は、グラス一杯になるまで泡を入れて提供するスタイル。
ミルコとはチェコ語で牛乳を意味し、その名の通り牛乳のような見た目になり、最も炭酸が少ない入れ方でクリーミーな口当たりが、お楽しみいただけます。
Yasutaka Higaki 桧垣泰隆
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