蒸留所名非公開?シークレットスペイサイドを名乗る珠玉の3本をご紹介 / Vision

2019/12/17

シークレットスペイサイド3種

ボトラーズからリリースされるウイスキーで、「シークレット」とされ、蒸留所名を明かされていないウイスキーがあります。
今回はそんなボトルから、3本のスペイサイドモルトをご紹介します。
紹介しつつ最後に「なぜシークレットなのか」についてもご案内します。

 

  1. シークレットスペイサイド No.2 1998 20y ヘンプスパロー Secret Speyside No.2 1998 20y Henp sparrow
  2. シークレットスペイサイド No.1 1995 23年 ウイスキークルー Secret Speyside No.1 1995 23y Whisky crew
  3. シークレットスペイサイド 1990 28年 ブロッサムズ Secret Speyside 1990 28y Blossoms

1. Secret Speyside No2 1998 20y Henp sparrow
シークレットスペイサイド No.2 1998 20y ヘンプスパロー

ヘンプスパロー

ヘンプスパローは、麻雀牌のラベルデザインでリリースされるシリーズです。
ヘンプスパローシリーズの中で、過去にシークレットスペイサイドという形で別の蒸留所のボトルがリリースされているので今回はNo.2という形でリリースされています。
こちらのボトルはグレンリ◯ットのボトルと言われています。
1824年に政府公認第一号蒸留所になった蒸留所です。

バーボン樽熟成で、フルーティーで青りんごのような香りとやや熟成感のあるココアの香りが特徴的です。

 

2.Secret Speyside No.1 1995 23y Whisky crew
シークレットスペイサイド No.1 1995 23年 ウイスキークルー

ウィスキークルー

紹介制ウイスキーサイト、ウイスキークルーから発売されているボトルです。
紹介制のため、限られた人しか買えず、高品質なウイスキーのみをリリースすることにこだわりを持っているシリーズです。

こちらのスペイサイドは、マッ◯ランと言われています。
23年と長期熟成のボトルは貴重ですが、こちらはバーボン樽で熟成されており、比較的安価な価格でリリースされています。

 

3. Secret Speyside 1990 28y Blossoms
シークレットスペイサイド 1990 28年 ブロッサムズ

ブロッサムズ

ウイスク・イーからリリースされているラインアップ。ブロッサムズ。
長期熟成の高級シリーズとして知られており、長い年月をかけて開花し、香りと色で魅了する花をモチーフにしたラベルデザインです。
こちらのウイスキーはグレン◯セスと言われています。
ジューシーなフルーツな香りと味、その奥に麦芽の甘いフレーバーが広がります。

さて、なぜシークレットなのか。
蒸留所名非公開ということで、「バーンサイド」「ウェストポート」「ウィリアムソン」などという形でいろいろな名前がつけられるものもあれば、「シークレットスペイサイド」「シークレットアイラ」という形でリリースされるものもあります。

その背景はいくつかあります。
一つは、蒸留所側が自分の蒸留所を名乗ることを望んでいないということにあります。
普通に名乗ればいいじゃないかと思うかも知れませんが、「自分の会社から出してないのに蒸留所の名前を出して販売するのはおかしい」というのも理にかなった考え方です。
ウィリアムソンは、ラフロイグの過去の蒸留所長の名前であり、そういう形で分かる人には分かる形でリリースされるケースがあります。
グレンロセスやマッカラン、グレンファークラス、グレンモーレンジィやグレンフィディックも蒸留所名を名乗らせない事が多い蒸留所です。

二つ目は、「では他の蒸留所のウイスキーをブレンドして別の名前で出してください」というケースがあります。
その場合、ティースプーンモルトと言われることもあるのですが、ほんの少しだけ他の蒸留所のウイスキーを混ぜてリリースする形になります。
バーンサイドやウェストポートはそのような形でリリースされるものです。

三つ目は、蒸留所から一度出た樽が、いろいろなボトラーズやブレンデッドウイスキーの会社を経てリリースされるケースです。
正確なトレーサビリティがなされているかという問題もあるのかも知れません。
熟成環境的に・・・というのもあるのかも知れませんが、この辺は推測です。

四つ目は、シリーズ化です。
例えば、いろいろな蒸留所から樽を買い付けて、オリジナルの名前をつけて、その熟成状況に合わせてリリースするスタイルで、その時々でどこの蒸留所のウイスキをリリースするか変えるのですが、一貫してそのオリジナルの名前に統一感をもたせたリリースをしますというケースもあります。
ポートアスケイグというシリーズはそのようなケースがあります。

何れにせよ、それらは蒸留所の名前を名乗れないので低品質というわけではなく、むしろそんな環境の中でも素晴らしいものなのでわざわざ蒸留所名を隠してでもリリースしたいという高品質なボトルが多いようにも感じます。
また、「どこの蒸留所なんだろう」と推測しながら飲むのも面白いと思いますので、ぜひ敬遠せずに試してみてください。

 

Wataru Kobayashi 小林渉

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