2020/02/16
平井のブログ第22弾はスコットランドのキャンベルタウンにあるスプリングバンク 蒸留所をご紹介します。
スプリングバンクは「モルトの香水」と言われるほど芳醇な香りをもち、潮風やピートの影響から「ブリニー」(塩辛い)味わいが特徴のウイスキーです。
創業年数は1828年。レイド家によって建てられましたが、その後すぐミッチェル家が買い取り、現在に至るまで経営を行なっています。
元々キャンベルタウンには30を超える蒸留所がありました。その中でもヘーゼルバーン蒸留所はジャパニーズウイスキーの父、竹鶴政孝がウイスキーづくりの修行をした蒸留所として知られており、ニッカウヰスキーが所有する余市蒸留所はヘーゼルバーンになぞらえて立地条件が決められたそうです。
ヘーゼルバーン蒸留所は現在閉鎖していますが、スプリングバンク蒸留所から「へーゼルバーン」「ロングロウ」というブランドのウイスキーが販売されています。
続いて製造工程ですが、スプリングバンク蒸留所では製麦・糖化・蒸溜・熟成・樽出し・ボトリングまでの全ての工程を行なっています。ボトリングまで行っているのはグレンフィディックとロッホサイドくらいで非常に珍しい蒸留所です。
スプリングバンク蒸留所はまず全ての麦をフロアモルティングさせ、6時間ピートを焚き30時間熱風乾燥して麦芽を完成させます。(ヘーゼルバーンは30時間熱風乾燥のみ、ロングロウは48時間ピートを焚いて発芽と乾燥を済ませます。)
糖化に使われるマッシュタンは130年使い続けているもので、ウォッシュバックは北欧産のカラマツ材でヴァイキング時代に船材として使われていたものを使用しています。
ポットスチルは初留が1基、再留が2基の計3基が設置されています。工程としては初留した原酒を再留した後、一部をまた蒸留します。つまり蒸留回数は2.5回となっております。
通常スコッチやバーボンで2回、アイリッシュやカナディアンウイスキーが3回蒸留なのに対し、スプリングバンクは2.5回蒸留。個人的には1番の特徴だと思います。
最近ではめっきり見かける事が少なくなってしまいましたが見つけた際には是非今一度召し上がってみて下さい。