ティーニニック蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision

2022/06/14

ティーニニック

ティーニニック蒸留所について、徹底解説していきます。

 

  1. ティーニニックの地理
  2. ティーニニック蒸留所データと蒸留設備
  3. ティーニニックの解説
  4. ティーニニックのラインナップ
  5. ティーニニックの年表

 

1. ティーニニックの地理

生産国:スコットランド
地域:ハイランド

 

2. ティーニニック蒸留所データと蒸留設備

所有者:ディアジオ社
設立年:1817年
年間生産能力:1020万リットル
仕込水:デイリーウェルの泉
糖化槽:糖化タンクとマッシュフィルターを使用
発酵槽:ステンレス2基、カラ松18基
蒸留器:初留6基、再留6基
熟成庫:

 

3. ティーニニックの解説

ティーニニック蒸留所は、ロス州アルネスの町を流れるアルネス川の西側にあります。
東側にはダルモア蒸留所があるという立地です。
ティーニニックの語源は「荒野の中の家」というゲール語とのこと。蒸留所はクロマティー湾に面しており、ネズミイルカの生息地として知られており、花と動物シリーズのティーニニックにはネズミイルカ2頭が描かれています。

1817年にキャプテン・ヒューゴ・マンローが自身の領地に蒸留所を建設し創業開始しました。
マンローは1823年の大幅な酒税法改正の際に、国会の聴聞会での証言するなど注力した人物でもあります。
改正後はティーニニックの生産も軌道に乗り、1830年には創業当初の30倍もの生産量があったと言われます。
マンローの死後は息子のジョンが蒸留所を引き継ぎ、その後1898年にエルギンの酒商のイネス・キャメロンが買収しました。
当時イネス・キャメロンはベンリネス、リンクウッド、タムドゥなどの多くの蒸留所に投資し、彼自身モルトディスティラーズ協会の会長をしていました。
1933年にDCL社が買収し、その後1970年に古い蒸留所の隣に新しい蒸留所を建設。新しい蒸留所には6基の蒸留器でAサイドと呼ばれ、古い蒸留所には4基の蒸留器でBサイドと呼ばれ、1999年まで生産を続けました。
更にその後2015年に大幅な拡張工事が行われ、蒸留器も倍の12基となり、生産能力も1020万リットルとディアジオの蒸留所としてはローズアイル、グレンオードに次ぐ3番目の大きになりました。

ティーニニックの特徴は、通常のローラーミルとマッシュタンではなく、ハンマーミルと糖化タンク、マッシュフィルターを使っていることで、これは大麦麦芽以外の穀物にも対応できるようにするためで、スコッチでは他にインチデアニーが導入しています。
発酵槽はステンレスが2基、木製が18基と巨大で、発酵時間はすべて75時間に統一。規模が大きく、最新のテクノロジーを導入するという形で、ディアジオの中では生産の一大拠点であるとともに、実験的な蒸留所となっています。

ティーニニックはオフィシャルでは花と動物シリーズや一部スペシャルリリースがされますが、ほとんどリリースされず、主にジョニーウォーカーやヘイグの主要原酒として使用、一部がボトラーズからリリースされます。

 

4. ティーニニックのラインナップ

ティーニニック 2009 クーパーズチョイス シェリーカスクフィニッシュ

クーパーズチョイスからリリースのシェリーカスクフィニッシュのボトル。
りんごやバナナ、しっかりとした樽香、シェリー樽由来のメープルシロップのような甘さなどが心地よいボトルです。

 

ティーニニック スコッチモルトウイスキーソサエティ 59.63

スコッチモルトウイスキーソサエティ 59.63 Tropical Marmalade

トロピカルマーマレードという名前のついたソサエティボトル。
非常にモルティでフルーティー、マンゴー、パパイヤなどの南国を感じさせるフレーバーがあるボトルです。

 

ティーニニック スコッチモルトウイスキーソサエティ 59.65

スコッチモルトウイスキーソサエティ 59.65 Sangri-lambro-ribe-ruffle-o

日本語訳がそのままタイトルをカタカナにしただけのボトルで、ソサエティの日本語訳担当者が訳せなかったと思われるタイトルのボトル。
色々調べましたが、サングリと言うのがマメ科の植物っぽいというところくらいしかわかりませんでした。
なにかの韻を踏んでいると思うのですが、解読できるかたぜひお教えください。

 

5. ティーニニックの年表

1817年 ティーニニックの領主のキャプテン・ヒューゴ・マンローが蒸留所を創業
1831年 キャプテン・マンローが息子のジョンに領地を売却
1850年 ほとんどの日々をインドで過ごしていたジョン・マンローは、リースのロバート・パティンソンに蒸留所を貸し出す
1869年 ジョン・マクギルクリスト・ロスが蒸留免許を引き継ぐ
1895年 マンロー&キャメロンが蒸留免許を引き継ぐ
1898年 マンロー&キャメロンが蒸留所を買収
1904年 ロバート・イネス・キャメロンが単独オーナーとなる
1932年 ロバート・イネス・キャメロンが亡くなる
1933年 ロバート・イネス・キャメロンの不動産管理会社がDCLに蒸留所を売却
1970年 6基の蒸留器を備えた新しい蒸留設備が稼働し、Aサイドと呼ばれるようになる
1975年 ダークグレインプラントを建設
1984年 Bサイド蒸留所を閉鎖
1985年 Aサイド蒸留所も閉鎖
1991年 Aサイド蒸留所を生産再開
1992年 UDが花と動物シリーズ10年熟成を発売
1999年 Bサイド蒸留所を廃止
2000年 マッシュフィルターを導入
2009年 ティーニニック1996、マネージャーチョイスシングルカスクを発売
2015年 6基の蒸留器を入れ、蒸留所を2倍に拡張
2017年 17年をスペシャルリリースとして発売

 

Wataru Kobayashi 小林渉

Vision Whisky Bar ヴィジョン
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