2019/10/20
平井のブログ第6弾は日本の宝酒造が所有するトマーティン蒸留所をご紹介致します!
トマーティンは北ハイランドに位置しており、インヴァネスからすぐのところにあるトマーティン村にあります。さらにはネッシーで有名なネス湖も!
トマーティンとは「ネズの木の茂る丘」の意味です。付近には1746年カローデンの戦いにゆかりのある「別れの丘」があります。
そんなトマーティン蒸留所は1897年にインヴァネスの事業家によって創業されましたが、わずか9年で閉鎖してしまいます。しかし3年後の1909年に生産を再開させ、第二次世界大戦後のウイスキーブームに乗り1956年には2基しかなかったポットスチルを4基へと増設。1958年には6基、1961年には11基まで増設させました。そして、1974年にはさらに拡張し、12基増設させ合計23基になりました。当時の生産量は最も多い時で2200万リットルまで及び、劇的な飛躍を成し遂げたのです。
しかし、80年代の不況によりなんと倒産してしまいます。そこに目をつけた顧客である日本の宝酒造と大倉商事のベンチャー企業によって1986年に買収。日本企業が所有する初めてのスコッチウイスキー蒸留所が生まれました。
宝酒造が所有してからは「量より質」ということで2000年に11基のポットスチルを外し、初留6基、後留6基の計12基に。生産量も年間2万リットルまで下げました。今までアンティクァリーなどブレンド用原酒として使われていましたが、現在では約4割がシングルモルトとしてリリースされています。
トマーティンの製造において欠かせないのは仕込み水!オルタ・ナ・フリスという小川を使用しており、今は「自由の小川」です。この水なくしてはトマーティンの風味は作れないのだとか。
さらには近隣に上質なピートもあり、ウイスキー作りに適した土地にあるのです。
トマーティン蒸留所のもう1つの特徴といえば蒸留所内に住居があり、何世代にも渡って働き続ける人達が沢山いること。とてつもない情熱と執念を感じます。
そんなトマーティン蒸留所。現在当店にはトマーティン レガシーとトマーティン14年 ポートカスクがあります。
Legacy(レガシー)とは「受け継がれる遺産(財産)」という意味で、バーボン樽熟成の原酒と新しい試みとして貯蔵されたアメリカン・ヴァージン・オーク樽で熟成した原酒をヴァッティングしております。
14年の方は13年間リフィルバーボン樽で充分に熟成させた後、1年間ポートワイン樽で仕上げの熟成を施したものでノンチルフィルターでございます。
是非、そんなトマーティンを当店で召し上がってみて下さい。