2008/06/19
買収に次ぐ買収で、次々と大手製造業者の傘下に再編されていく蒸留所が多い中で、
このグレンファークラスは数少ない独立系の業者です。
しかも、創業者一族が今もなお経営を続ける数少ない蒸留所なのです。
仕込水は背後のベンネリス山の泉の水を引いていて、これは雪解け水が、ヒース層、
ピート層、花崗岩層に沁みこみ、長い時間をかけて浄化された、極めて良質な軟水です。
自然が生み出す水を豊富に使うのはグレンファークラスならではの贅沢なのです。
徹底的な品質管理が終始行われ、それぞれの行程に伝統の培った専門知識が生かされ、
蒸留を終えたウイスキーは、シェリー樽に移され、貯蔵庫の冷ややかな闇に抱かれながら
最低10年は眠り続けます。熟成するにつれて、ウイスキーの色、香りはどんどん変化し、
やがて、グレンファークラスならではの円熟した味わいを醸し出します。
それは、オレンジ、マーマレイド、蜂蜜、コーヒー、シェリー、ナッツなどが
複雑に入り混じったフレーバーと共に、かすかにドライな口当りを生み出します。
グレンファークラス 8年 VMSCボトル
スコットランドでは元々人気があった銘柄で、サッチャー元英首相も大好きな銘柄
として有名で、80年代以降、英国外へも数多く輸出されるようになってからは、
欧米各国やアジア、とくに日本でもモルト愛好家に好んで飲まれるようになりました。
そんなグレンファークラス8年は、70年代中頃に流通していたもので、ラベルには
シングルモルト表記ではなく、オールモルトウィスキーとなっています。
時代を感じさせますね。
ただ古いでけではない、旨味をともなったオールドボトルを是非、この機会に・・・
今夜もvisionにて、お待ちしております。