シャトー・ラ・ネルトのラフロイグ/八嶋

2008/02/08

in: Vision

Visionの八嶋です。フランス南部コート・デュ・ローヌ地方アヴィニョン。
その郊外、ローヌ河左岸域に広がるのがシャトーヌフ・デュ・パプ。
「法王の新しい城」という意味で、1309年ローマ法王庁分裂の際、
正当派のクレメンス五世がアヴィニョンに幽閉され、12km北のこの地に
別邸を構えたのが名前の起こりと云われています。
そんな時代から、この地でブドウ栽培を始め、「王のワイン、教皇のワイン」と
呼ばれた生産者がシャトー・ラ・ネルト(Chateau La Nert)なんです。
かのトーマス・ジェファーソンも、ここのワインをケースで購入していたそうです。
今では、シャトーヌフの「シャトー・マルゴー」とも呼ばれているとか。。

ここは13種類のセパージュの混醸が許されている一風変わった所で
シャトー・ラ・ネルトでは葡萄品種の特徴をよく把握して植えています。
62%を占めるグルナッシュはチェリーや革の香りが特徴で、ワインに厚みと
まろやかさを与えます。その反面、酸化しやすい性格の持ち主です。
シラーは18%を占めています。濃い色調としっかりしたタンニンが特徴で、
ワインをパワフルなものにします。スミレが強く香りますが、トリュフ香もあります。
ムールヴェードルも同様にタンニンが豊富で、ネルトでは15%混醸されています。
サンソーは4%に過ぎませんが、ワインをフルーティーでエレガントなものにします。
その他のクノワーズ、ミュスカルダン、ヴァカレーズ、ピックプールは、
ワインに深みやスパイシーさを与えるのに使われています。
これらを品種別に発酵させるのではなく、収穫した順から一緒のタンクに入れて
混醸し、濾過せずに木樽で寝かせ造られているんです。

そんなワインの樽でフィニッシュをかけたラフロイグがありました。

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ラフロイグ 1993 13年 ダンビーガン Chateau La Nerthe Finishダンビーガンとはスコットランドのスカイ島にある村の名前。この地を支配していた
地元のクラン(部族)が生産者であるウイリアム・マックスウェル社の創業家と
深いつながりがあったことから、このブランド名になりました。

ラフロイグ 1997 9年 チーフテンズ Chateau La Nerthe Finish
ボトラーズは、イアン マクロード。エジンバラ近郊のブロックスバーンに本拠地を置き
1895年に創業しました。以前リリースしていた「チーフテンズ・チョイス」を2001年に
「チーフテンズ」と変更し、ウッドマネジメントものを意欲的にリリースしています。

さて、ウイリアム・マックスウェル社とイアン・マクロード社は
ピーター・J・ラッセル・グループというコングロマリットの傘下にあって
同系列の会社になります。どちらもラフロイグをリリースしてきました。
そしてシャトー・ラ・ネルトです。カスクストレングスと加水の2タイプ。

この違いは飲まないとわかりませんね。。今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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