スコットランド最古の蒸留所/八嶋

2007/09/06

in: Vision
visionの八嶋です。オーヘントッシャンからA82号線を北西に
1.5キロほどにあるキルパトリックの丘の麓、クライド川に面して建つ蒸留所は
スコットランド最古の蒸留所と言われています。
一説によると14世紀からビールの醸造をおこなっていたといわれ、
それと同時に古くからウイスキーづくりも行われてきたようです。そう、リトルミル。

グラスゴーの麦芽製造業者、ジョージ・ブキャナンがリトルミルを買ったのが
1750年ごろで、1772年という年は、ブキャナンが保税官のための宿舎を建設した年。
つまりウイスキーの蒸留はそれ以前から行われていたということらしいのです。
イギリス政府が初めてウイスキー産業の調査を開始した1821年にはリトルミルの
年間生産量は90,000リットル以上ありました。もともとクライド川に沿った一帯は、
大麦の生産地であり、この丘周辺にはウイスキー造りに適した湧き水が豊富にありました。
蒸留所はハイランドとローランドの境界線の南にあって仕込水はハイランド産のものです。
蒸留所があるボーリング村は、東のフォース湾と西のクライド湾を結ぶ運河の出口にあり、
産業革命当時は造船で栄えたところなんです。世界初の蒸気船シャーロッテ・ダンダス号が
試験運転(1802年)を繰り返したのも、このボーリング村であったそうですよ。。

長い歴史の間に何度もオーナーが代わり、そのたびに休業、再開を繰り返してきました。
1930年代まではローランドの伝統である3回蒸留を行っていましたが、
その後は一般的な2回蒸留に切り替えられ、その差は個性という形で現れ、
風味には独特の世界観があり、味わいはオイリーという印象が強く残る、
いわば玄人好みの味わいといった感じになりました。1994年に当時の所有者が
管財人管理化に置かれた時に閉鎖、現在はロッホローモンド社が所有しています。
規模的には小さいが稼動可能な蒸留所に生まれ変わる!?と…噂されています。

yashima070906

リトルミル 1977 27年 ディスティラリーコレクション
モルティ、フローラルでやや甘い香り。

ミディアム・ボディでエレガント、スムースでフローラルな味わい。
フィニッシュはまろやかでペッパーのようなスパイス。
1977年5月蒸留、Cask No.1160から2004年6月のボトリング。

以前から再開の噂が絶えませんが、蒸留所は全て解体されてしまい。今は住宅地に。
となれば再開の見込みはほとんどなく、いつストックが尽きてもおかしくないのです。
そんなリトルミル、今がチャンスです。是非ご堪能くだされ。。
今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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