2008/02/13
そのリースリングは、世界で最も高貴な白葡萄品種で、ドイツワインの世界的な名声を
確立した品種で、最盛期にはメドックの格付けと並んで等級付けがなされていました。
今日ではそのフレッシュで明白なキャラクターを楽しむ基本を重視する人々に支持され、
リースリング・ルネッサンスと呼ばれる復興が起きているんだそうです。
このリースリングの最も有名な育成地がラインガウ地域です。ライン河に近く、
ほとんどの畑は南に向いており、優れた微気候の恩恵をうけています。
この地の葡萄の木の育成の伝統は、フランスから来たベネディクト派の修道僧たちが
その名を知られたクロ・ドゥ・ヴジョから最初のクローンを持ち込んだ6世紀に遡ります。
一方、ドイツで3番目に多い品種として有名なのがケルナーという品種。
1969年に開発されたケルナーは、どこでも殆ど確実に成熟するため、1990年までに
昔からある品種をほぼ追い越して、多く栽培される品種となりました。
赤ワイン品種のトロリンガーと白ワインの女王リースリングの交配種という
ユニークな出生もあるのかもしれませんね。。
これを産出するのが、ファルツ。ドイツにおけるアルザスといえます。
フランスのアルザスと同様に長細い地区であり、西に延びる山並みに阻まれ、
東には豊かなライン川が流れています。この地域は国内で最も暖かく、
乾燥した地域と言っても過言ではなく、ドイツの他の地域のものに比べ、
一般的により大きく充実した辛口の味わいを生み出すんだそうです。
今回、リースリングとケルナーで造られたドイツワインをご用意してみました。
R“エアー”2005 アウグスト ケスラー
アウグスト・ケスラーは、1977年に若くして両親からこのエステートを受け継ぎ、
葡萄畑を質的に最高の場所で18ヘクタールまで拡大した逸材です。粘板岩から
切り出された二階建てのワインセラーで熟成が行われ、セラーの低い温度が
リースリングワインの理想的な発酵を可能にし、オーク樽貯蔵がそのキャラクターを
引き出すんだそうです。そんな作り方が
Qualitatswein bestimmter Anbaugebiete 一般的には略してクーベーアー Q.b.a。
限定地域上級酒という等級につながっているんでしょうね。。
少々緑色がかったクリアで鮮やかな濃いレモン色。
フレッシュで芳香の強いノーズは、リンゴとライムのほのかな香りを演出します。
ラインスハイマー ヘルリッヒ 2005 フェルディナンド ピーロート
ピーロート家のルーツは1704年、ハインリッヒ・ピーロートが葡萄栽培者として
記録に残っているという時点まで遡ります。その後ワインをバルクで販売すること
を止め、初めて“エステイトボトル”のワインを生産したり。。
“ピーロート・ホーム・ワイン・テイスティング”を提供し始めたりしました。
このテイスティング方式は、保守的なワイン業界において“消費者革命”だったのです。
初めて、御客様に、御自宅で、まず試飲をし、御好みのワインを選択して頂くことを
可能にし、ワインを選ぶ為に、わざわざ遠くの様々なワイナリーに出かけ、
よく知らないワインを買うということがなくなったわけなのです。
このワインは、Qualitatswein mit Pradikat 一般にQ.m.p。このクラスの中で
最も辛口(甘さが少ない)のがカビネット Kabinettという等級になります。
鮮やかで淡い麦わら色。芳香の強いノーズは花の様でアプリコット、ハニーの含みが
伴う。風味は滑らかでまろやか、余韻の長い後味は、ピーチのニュアンスがあります。
アルコール度10%のほんのり甘口白ワインはいかがですかね!?
今夜もvisionにて、お待ちしております。