2008/06/13
visionの八嶋です。アイラ島ブリュイックラディーの西、ロッホゴロムの南に
キルホーマン(地元でもキルコーマンと呼ぶ人が結構いる)という蒸留所があります。
この蒸溜所はアイラ島に2005年にオープンしたスコットランド最西端の蒸溜所で、
モルト愛飲家の中では最も注目されている蒸溜所のひとつです。
他のアイラ島の蒸留所はすべて沿岸部の海沿いに建っていますが、ここは
海から一番離れたところにあります。といっても海岸から1kmくらいですが。。
2005年12月14日に初蒸留を開始し、稼働し始めて2年を過ぎたというところですが、
キルンが火事に遭うなど、ちょっと不幸なことが起こった船出でした。
しかし、アイラ島の新規蒸留所は100年以上ぶり、そして第8番目の蒸留所である
キルホーマン蒸留所は、それをものともせずニュースピリッツをリリースしてきました。
ウイスキーの定義として「木製の樽に3年以上熟成させたもの」という条件があるので
これはウイスキーではなく、「スピリッツ」という扱いになるんです。
このニュースピリッツは、ロッホサイドファーム産のオプティック大麦をはじめ、
アイラ島産の原料のみを使用した100%アイラのスピリッツなわけです。
使用するピートも、もちろんアイラ島産で、フェノール値は50ppmと非常にピーティ。
蒸溜されたスピリッツは約1ヵ月半バッファロートレース社のバーボンバレルで
熟成され、自社でボトリングされます。つまり、このスピリッツは麦の栽培から
ボトリングまでのすべての工程を自社で行ってつくられた稀有なアイテムなんです。
キルホーマン ニュースピリッツ
2007年7月蒸留、2007年9月瓶詰め。バーボン樽熟成で63.5度のカスクストレングス。
かのジム・マーレー氏は、ウイスキーバイブル2008の中で、このニュースピリッツに
94点をつけ、次のように最大の賛辞を送っています。
「 疑う余地がなく素晴らしい!このレベルのニューメイクが安定してつくれるなら、
将来、並外れたウイスキーが出来上がるだろう」・・と。
5年物からウイスキーとしてのリリースが開始予定なので、2010年までの我慢です。
その前に、この貴重なニュースピリッツ。いかがですかね!?
今夜もvisionにて、お待ちしております。