今年最後のラフロイグ/八嶋

2007/12/29

in: Vision
Visionの八嶋です。フランス南部コート・デュ・ローヌ地方アヴィニョンの郊外
ローヌ河左岸域に広がるシャトーヌフ・デュ・パプ。「法王の新しい城」という意味で
1309年、ローマ法王庁分裂の際、正当派のクレメンス五世はアヴィニョンに
幽閉されましたが、12km北のこの地に別邸を構えたのが名前の起こりです。
そんな時代から、この地でブドウ栽培を始め、「王のワイン、教皇のワイン」と
呼ばれた生産者がシャトー・ラネルト(Chateau La Nert)です。
かのトーマス・ジェファーソンも、ここのワインをケースで購入していたそうです。
今では、シャトーヌフの「シャトー・マルゴー」とも呼ばれています。

このアペラシオンは13種類のセパージュの混醸が許されている一風変わった所で
【赤】グルナッシュ・ノワール、シラー、ムールヴェードル、クーノワーズ、
テレ、ミュスカルダン、ヴァカレーズ、ピカルダン、サンソー、ピクプール
【白】ピクプール、グルナッシュ・ブラン、クレーレット、ルーサンヌ
ブールブーラン だそうです。なんだか聞き慣れない名前ばかりですね。。

シャトー・ラ・ネルトでは、各品種の特徴をよく把握して植えていて、
62%を占めているグルナッシュはチェリーや革の香りが特徴で、ワインに厚みと
まろやかさを与えます。その反面、酸化しやすい性格の持ち主です。
シラーは18%を占めています。濃い色調としっかりしたタンニンが特徴で、
ワインをパワフルなものにします。スミレが強く香りますが、トリュフ香もあります。
ムールヴェードルも同様にタンニンが豊富で、ネルトでは15%混醸されています。
サンソーは4%に過ぎませんが、ワインをフルーティーでエレガントなものにします。
その他のクノワーズ、ミュスカルダン、ヴァカレーズ、ピックプールは、
ワインに深みやスパーシーさを与えるのに使われています。
そして品種別に発酵するのではなく、収穫した順から各品種を一緒のタンクに入れて
混醸し、濾過せず、木樽で寝かせ造られています。
そんなワインの樽でフィニッシュをかけたラフロイグがありました。

yashima071229

ラフロイグ 1997 9年 チーフテンズ Chateau La Nerthe Finish
ボトラーズは、イアン マクロード。エジンバラ近郊のブロックスバーンに本拠地を置き
1895年に創業しました。以前リリースしていた「チーフテンズ・チョイス」を2001年に
「チーフテンズ」と変更し、ウッドマネジメントものを意欲的にリリースしています。
今回のラフロイグは、どうですかね。。シャトー・ラ・ネルトですよ、楽しみです。

今年も残り僅かですね。年末もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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