侮るなかれ!オフィシャルの底力/八嶋

2007/09/07

in: Vision
visionの八嶋です。オフィシャルボトルとは!?
生産者、つまりウイスキーを製造している会社が自らのオリジナルラベルで
販売しているボトルの事ですね。実は昔は、ほとんどのシングルモルト原酒は、
ブレンデッドウイスキー用にバルク(樽)で専門業者に販売されていました。
シングルモルトとしてオフィシャルボトルで販売している量は少なかったのです。
また、オフィシャルボトルが存在しない銘柄も数多くありました。今でもそうですが。
オフィシャルボトルの場合、幾つかの原酒樽を専門のブレンダーがヴァテッドさせ、
製品化するわけです、たいていは加水して。

逆に瓶詰業者の場合は、シングルカスクものが多く、オフィシャルとは
違った味わいになっている物が多い。そんな事がマニア心をくすぐったのか。
現在では数え切れない数のボトラーズものが出まわっていますし、原酒樽を専門に
ストックしている業者、瓶詰だけ行ってくれる業者などがあるくらいですからね。
また、幾つかの蒸留所を所有するオーナー会社が瓶詰している『オーナー会社瓶詰物』
などもあったりします。うちの主力もボトラーズだし。。
そんななかで、今一度オフィシャルものを堪能してみようかと。。
ボトラーズであまり出回らないものを中心に集めてみました。それがこちら・・・

yashima070907

ザ シングルトン オブ グレンオード 12年
グレンオードは、1838年創業のスコットランド最古の蒸留所のひとつと言われ、
インバネスの北、湖に囲まれ渓流が流れる北ハイランド地方にある蒸留所です。
貿易が盛んなビューリー港から3マイル北にある「Muir of Ord」という村に
位置しています。昔ながらのカッパースティルを使って蒸留し、シェリー樽と
アメリカンオーク樽で熟成されます。その19世紀から伝わる方法が、シングルトンに
独特の色と味わいを与えています。かつてオスロスク蒸留所がリリースしていた
シングルトンとは別ものです。

オールドプルトニー 17年
スコットランド本土では最北に位置する蒸留所で、ウイック(Wick)の町にあります。
その潮の香りが漂う、飲みごたえのある品質から「北の巨人」と揶揄されていたりします。
海岸の近くで蒸留、熟成されているため、潮の香りとオイリーさがあり、
複雑で独特な味わいがあり、ほとんどアイランズモルトといってもいいですね。
この17年はノンチル・フィルター、ノンカラーリングでボトリングされています。

カーデュ 12年
ウイスキー産業の女王‘エリザベス・カミング’が農業の片手間に1811年創業した
カーデュ蒸留所。カーダゥ(Cardow)農場に建てられたので、その名でも知られていました。
ジョニーウォーカーの風味の中核をなすモルトで、ライト&スムースで繊細。
かすかにピートを感じるモルトです。カーデュは「黒い岩」の意味。えっ!?黒岩。。

ノッカンドゥ 21年 1984マスターリザーヴ
ノッカンドゥ蒸留所は、スペイ川左岸のノッカンドゥの谷間に1898年に創業。
世界第2位のブレンデッド・ウイスキー、J&Bレアの中核原酒として有名です。
ノッカンドゥとはゲール語で「小さい黒い丘」という意味を持っています。
ノッカンドウ・マスターリザーヴは、20年以上熟成させたオーク樽から厳選され、
果実のような芳香と樽の香りが感じられ、クリーミーなミディアムボディです。

アンノック 13年 ハイランドセレクション 1989リミッテドエディション
1894年創業のノックデュー(Knockdhu)蒸留所のモルトです。ヘイグのキーモルト
として使用されていましたが、1983年に閉鎖、5年後の88年にインヴァーハウス社が買収。
ノッカンドーと紛らわしいため、アンノック(小さな丘)の名称でリリースされました。
パッっと見、アンノックと読めませんが。1989年蒸留でボトルナンバー入りの限定品です。
オイリーでキャンディの様な甘みと、ほんの少しのスモーキーさのあるモルトです。

グレンフィディック 12年 カオランリザーヴ
スペイサイドの雄、かのグレンフィディックですが、第二次世界大戦当時の
ピーティーだったモルトの風味を、2002年に蒸留所のモルトマスターが再現。
アイラモルトの熟成に使用された樽で3~6ヶ月間仕上げの熟成を行い、
スペイサイドモルトらしからぬピーティーでスモーキーな風味に仕上がっています。
ちなみに「カオラン(クーラン)」とはゲール語でピートの残り火、燃えかすの意味。

クロフテンギア 2001 シングルカスク ヘビーピーテッド
ロッホローモンド蒸留所では、タイプの違うウイスキーに「オールドロスデュー」
「インチマリン」など異なる銘柄をつけていますが、その中でもピーティーなタイプを
「クロフテンギア」と名づけています。このヘビーピートなクロフテンギア2001は、
冷却ろ過やカラーリングは行わず、シングルカスクにてボトリングされた限定品で
2001年1月29日蒸留、2006年6月19日にアメリカンオークホッグスヘッドから430本のみ
ボトリングされ、その中から174本限定で日本に入ったものです。

トミントール グレンリベット 27年
1965年に創業を開始した比較的新しい蒸留所で、グレンリベット蒸留所から
スペイ川支流のエイボン川沿いに少し南下した場所に位置し、スペイサイドに区分される
蒸留所の中ではタムナブーリン、ブレイヴァル等と同じ南端にある蒸留所です。
名前はトミントール村から付けられたもので、ゲール語で「納屋の形をした丘」の意味。
ホワイト&マッカイ、フィンドレーターの原酒として用いられています。

グレングラッサ 19年 Last Year of Distillation
1875年に建てられたこの歴史ある蒸留所は、80エーカーの独自の大麦畑を持ち、
その麦芽を使用しているのが自慢の蒸留所でした。ゲール語で「緑野の谷」の意味。
残念ながら1986年に閉鎖され、この19年オフィシャルは、蒸留所が閉鎖される前に
最後に蒸留されたヴィンテージです。再開される見込みは立っていません。
フェイマスグラウス等の原酒で、ライトな麦芽の味わいと個性的な香りが特徴です。

いかがですかね!?そうそうたるラインナップですよ。。
今週末はオフィシャルで、じっくりやりましょうかね。

それに合わせて、週末限定で噂のモルト寿司も復活です。またやっちゃいますよ。
今回はスモークサーモンを中心にご用意しようかと。金・土のみの5食限定ですよ!
雨にも負けず、風にも負けず、お早めにいらしてくださいませ。
今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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