2007/01/19
スコットランドの北端、北緯59度に位置し、大小70余りの島々からなるオークニー諸島。
その中で最も大きな面積を持つメインランドが「ハイランド・パーク」の故郷です。
この島は、はるか昔のケルト文明を色濃く残す地。スカラ・ブレエと呼ばれる石器住居や、
巨大なスタンディングストーンがそびえ立つリング・オブ・ブロッカーをはじめ、
古代ケルト人の遺跡が数多く点在しており神秘性を漂わせています。
オークニー諸島は、緑豊かで肥沃な牧草地が農業に格好で、
島民は海との関わりが深いにもかかわらず、自らを“船を持った農民”と考えています。
近隣のシェトランド諸島の島民が“小農地を持った漁師”と自認していることからすれば、
オークニーの島民がいかにこの肥沃な土地を愛し、農業を生活の糧としてきたかわかります
そしてこの諸島には、こうした豊かな土壌に魅了され、はるか昔から移住民が集い、
また1468年まではノルウェー支配下にあったという、本土とは異なった歴史がありました。
このためオークニーの島民は、今でも自らをスコットランド人ではなく
“オーケディアン”と呼び、ハイランドパークは、“ハイパーク”と呼ばれていました。
そんな、歴史ある島から作られたモルト。ラインナップはこんな感じです。
ピアレスコレクション 1980 24年
ダンカンテイラー社は1938年、アメリカ合衆国で設立しました。
1960年代の初頭から、スコットランド全域の多くの蒸留所のニューフィリングの樽を購入、
熟成されたレアなプライベートコレクションとしては、世界最大級のものとなりました。
ピアレスコレクションは何千丁という樽の中から、最高品質のモルトウィスキーを選び
ボトリングしています。もちろん、カスクストレングス、ノンチルフィルター、
ノンカラーリングで瓶詰めしているので、まさにピアレス(比類なき)なウィスキーです。
ウイスキーガロア 1994 12年
ウイスキーガロアは、ダンカンテイラー社のスタンダードタイプのシリーズです。
スタンダードとは言うものの、全てがシングルカスクであり、46度に加水されて、
ノンカラーリング、ノンチルフィルタリングでボトリングされます。ポートフィニッシュ。
ロッホ&キャッスル 1992 13年
イタリアのハイスピリッツ社が送り出すロッホ&キャッスルシリーズ。
ノンカラーリング、ノンチルフィルタードで46度に調整されボトリングされています。
1992年6月蒸留、2005年11月にカスクNo20355の樽よりボトリングしたものです。
ブラッカダー ロウカスク 1992 12年
通常のウイスキーは、フィルターをかけない商品でも、樽内部のオリや沈殿物を取り除く為
なんらかのフィルタリングを行なっていると言われています。
このロウカスクシリーズでは、樽自体の大きな木片を取り除く以外は、
樽の中身をオリ(沈殿物)も含めそのままの状態でボトリング。
通常のフィルタリングではウイスキー本来の成分の少なくとも2%~3%が失われていますが、
このボトリング方法ではわずか0.5%未満なので、非常に自然な状態に近いです。
そんな究極のナチュラルウイスキーのハイランドパークです。
ウィスキー エクスチェンジ 1989 17年
ロンドン西部のハイウエルにある酒のスペシャリストといわれるウィスキーエクスチェンジ
ハーブ系の香りがさわやかで飲み口は甘く複雑でシトラス、ミントやバニラの味わいです。
フィニッシュにかけていいピートが感じられる、ギリシャ文字シリーズ。
ギリシャ文字だとこんなんです。”ΗΙΓΗΛΑΝΔ ΠΑΡΚ”ううん。。読めません。
1989年5月19日蒸留。2006年7月5日のボトリング。289本限定のうちの1本です。
ヴァンウィー アルティメット 1985 16年
The Ultimate ボトラーズのモルト・ウィスキーです。
ヴァンウィー社は1921年に煙草の卸業者としてオランダのアムステルダム郊外に設立され、
マッカランやグレンファークラス等の蒸留所元詰めや、G&M社やケイデンヘッド社の
ボトラーズモルトをオランダで最初に紹介したとっても由緒ある会社です。
1994年からアルティメットの名でボトルを発売しています。
シングル・カスク、ノンチル・フィルター、ナチュラル・カラーを頑なに愛し
モルト愛好家のハートをつかんでいます。
シングルモルトを熟知したロンドンのプロバーテンダーはハイランドパークを
“スモーク&ハニー”と評します。“スモーク”とは、ピートからもたらされるもの。
“ハニー”とは、十分な熟成が生む上質なコニャックのような甘さ。
この両者こそがハイランドパークの最大の魅力なんだとか。
そんなモルトを是非。。今夜もvisionにてお待ちしております。