2007/10/22
さて、今日も懲りずにご案内です。
スペイサイドはマレイ州から名づけられたグレンマレイ蒸留所は、エルギンの郊外
ロッシー川のほとりにあります。北海(厳密にいうとマレイ湾)に面したマレイ州一帯は
レアック・オ・マレイと呼ばれ、大麦の主産地として古くからたいへん有名でした。
ハイランド地方の中では比較的気候が温暖で、地元の人々は
「このあたりは他のスコットランドに比べて、夏が40日も長い」と自慢するそうです。
この文言はボトルのラベルにも書いてあるそうです。
現在、蒸留所が建っている場所は、18世紀にはビール工場があったところらしく
ダラス・ムーアの豊富な湧き水とマレイ州の良質の大麦が、ビール醸造を盛んに
していたようです。姉妹蒸留所のグレンモーレンジも、かつてはビール工場でしたね。
ビール工場を改造して蒸留所が建てられたのは1897年。創業者は地元エルギンの
実業家で、ビール工場の前は、処刑場だったといいます。
1962年、新しい熟成庫を建設中に、地中から数個の頭蓋骨が出てきたそうです。こわっ。
なので、創業後しばらくして操業停止に追い込まれ、長い期間閉鎖されていましたが、
1920年にミュアー社が買収して操業を再開しました。現在はフル操業中です。
発酵の際に使うイースト菌は、純粋培養酵母とビール酵母の2種類を使用。
これは、昔のビール工場の流れなんですかね。。
また、グレンマレイは、初めて白ワイン樽を熟成に使用し、ワイン メローイングなる
シリーズをリリースしたりています。
そんなグレンマレイのオールドものを見つけました。それがこちら・・・
グレンマレイ 12年 オフィシャル オールドボトル
このボトルはウィスキー特級の時代に出ていた旧瓶のオフィシャルボトルです。
度数はその時代の標準43%。色は淡い琥珀色で、香りは濃密でスイートな麦芽香。
味わいは骨太でオイリー、実に滑らかな舌触り。フィニッシュは極めてライトで心地いい。
古き良き時代に思いを馳せて、一杯いかがですかね。。
今夜もVisionにて、お待ちしております。