2007/08/24
数ある蒸留所の銘柄の中で、オフィシャル品がボトリングされていない物も、
このG&Mボトリングの物がオフィシャル的な扱いをされている物もいくつかあるのです。
そして、今回ご用意したのが同社の「コニサーズチョイス」シリーズ。
これは、旧UD社の花と動物シリーズと並び、オフィシャルボトルを出していない
蒸留所のもの、閉鎖された蒸留所のものがある希少なボトルのシリーズなんです。
今回も、そんな失われた蒸留所のモルトたちを中心に集めてみました・・・
モストウィ 1979 18年 スペイサイド(閉鎖)
モストウィとは、ミルトンダフ蒸留所のセカンド・ラベルです。
1964年にミルトンダフ蒸留所に2基のローモンド・スチルが導入されると、
そこから生み出されたスピリッツを「ミルトンダフ」と区別する為に、
「モストウィ」という名でリリースしたのです。しかし、こうした努力は定着せず
1981年にローモンド・スチルは2基とも外され、17年間しか稼動生産されませんでした。
タムナヴーリン 1989 15年 スペイサイド(停止中)
1966年創業の比較的新しい蒸留所で、スペイサイドのグレンリベット蒸留所の近く
正真正銘リベット川のほとりに建っているので、蒸留所の正式名称は、
タムナヴーリン・グレンリベット蒸留所。グレンリベットとあえて名のる蒸留所は、
このタムナヴーリンを入れても数えるほどでしかなくなっています。
1996年以降生産がストップしており再開の見通しがたっていないようです。
スペイバーン 1974 30年 スペイサイド(稼動中)
蒸留所が立てられている場所は、もとは処刑場だったと言うユニークな説があり、
また、建物の壁はスペイ河の河床から「人間と獣によって掘り出された」石で
建てられたとも言われている蒸留所で、ダイヤモンド・ジュビリーの年、
つまりヴィクトリア女王在位60年の1897年に創業されました。1916年以降は
DCL社(現UD社)の傘下にあったが、1992年にインヴァーハウス社の所有となり、
同社のブレンデッド・ウイスキーに使われるようになっています。
クライゲラキ 1987 15年 スペイサイド(稼動中)
クレイゲラヒは1891年創業。"無情に突き出た大岩"という意味があります。
創設者ピーター・マッキーの叔父は世界的に有名なブレンデッド・スコッチ、
ホワイトホースの創設者であり、ラガヴーリン蒸留所の所有者でもありました。
なので、クレイゲラキもホワイトホースのメインモルトとして稼動しています。
1998年にラムで有名なバカルディ社に所有者が変わっています。
ストラスミル 1991 10年 スペイサイド(稼動中)
スペイサイド地区キースの町にあるストラスミルは、前身が小麦やとうもろこしの
製粉工場でした。1880年代にかけて起きウイスキーブームのおかげで改造可能な製粉、
食品、ビール等の工場は全てウイスキー蒸留所になっていったそうです。
ストラスミルが蒸留所に改造されたのは1891年で、その当時は
グレンアイラ・グレンリベット蒸留所と呼ばれていましたが、4年後にギルビー社が
買収した時にストラスミル蒸留所と改められ、J&B等の原酒となっています。
ダフタウン 1993 10年 スペイサイド(稼動中)
1896年、オートミール工場だったものを蒸留所に転用してスタートしました。
1933年にアーサー・ベル&サンズ社に買収され、同社のブレンデッド・スコッチ、
ベルの原酒として使われてきました。現在はUDV社の所有となっています。
ダフタウンは蒸留所の町。その名の通りこの町には8つもの蒸留所が点在しています。
さぁ、これでコニサーズチョイスが14本。どれからいきますか。。
今夜もvisionにて、お待ちしております。