グレンリベット蒸溜所 はじまりのシングルモルトとスコッチウイスキーの歴史 / 中野 Whisky Burgers

グレンリベット

「はじまりのシングルモルト」とも言われるザ・グレンリベットを今回はご紹介いたします。
グレンリベットはスコッチウイスキーの中で特別なことがひとつ、それは政府公認第一号蒸溜所であるということ。
スコッチウイスキーの歴史〜グレンリベット蒸溜所が政府公認になるまでを少しお話させていただきます。

スコッチウイスキーは歴史も古く世界的にも有名ですが、実はウイスキーはまた別の場所で生まれています。
ウイスキーの起源とも言える大麦を使った蒸留酒は西暦200年のエジプトと言われておおり、ここからさらに遡り、蒸留酒の起源を見ると紀元前12世紀の中国になるのだそうです。

スコットランドに伝わったのは、そのもっと後、アイルランドからやってきたキリスト教の修道士によるものだとされています。
563年にセント・コロンバがスコットランドに上陸しているという歴史は残っていますが、ウイスキー造りに関しては11〜12世紀頃に伝わったのではないかとも言われています。
どちらにせよ、実はウイスキー造りはアイルランドのほうが古い歴史を持っていることが分かりますね。
こうしてスコットランドでもウイスキー造りは行われるようになっていきました。

スコッチウイスキー元年と呼ばれるのは1494年。
「王命により修道士ジョン・コーに8ボルのモルト(大麦)を与えてアクアヴィテを造らしむ…」というスコットランド王室財務係の記述が残っており、これが書かれた年のことを言います。

ここで少々豆知識。
「アクアヴィテ aquavite」とはラテン語で「生命の水」と呼ばれており、お酒は元々薬として作り飲まれていたことに由来しています。
このアクアヴィテは今でもさまざまな蒸留酒の名前の語源となっているそうです。
もちろんウイスキーの語源でもあり、「アクアヴィテ aquavite」から、ゲール語で生命の水という意味の「ウィシュゲ・ベアハuisge beatha」となり、そこから年月を経て今の「ウイスキー whisky」と変化したそうです。

さて、ウイスキーに話を戻します。
このスコッチ元年から300年余り経った1824年にグレンリベット蒸溜所は政府公認第一号蒸溜所となりますが、その間に何があったのか。
この期間に起きたことのキーワードは大きく3つ、「酒税」「独立戦争」と「密造」。

まず「酒税」について。
1644年にウイスキーへの初課税が行われます。ここまでは良いのですが、これが大幅に引き上げられる事態が起こりウイスキーを密造する人が増えたと言われています。

そして「独立戦争」。
当時、イングランド併合されていたスコットランドは独立をしようと6度の反乱を起こします。
1745-46年のジャコバイトの乱にて決着が。
1746年カローデンムーアの戦いにてスコットランド軍が敗北し、その後イングランド政府から厳しい弾圧を受けることとなります。
伝統を重んじるケルト民族には耐え難い、バグパイプの演奏禁止やキルトの着用禁止など。これに反抗して密造酒を作る人が増えたそうです。

そして「密造」。
上記の要因などからウイスキーを密造する人が増え、一気に密造酒時代とも呼ばれる時期に入ります。
ただこの時代があったことで実は良いことも。
それは「熟成」すると美味しくなると発見がされたことです。
密造のため隠しておいたウイスキーを忘れており、時間が経ってから飲むと、なんと美味しいてはないか!とここで気づいた人が多かったとか。
当時、貴族はすでに熟成について知っていたとされていますが、この密造酒を作っていたのは農家の人々。その人たちはこの時代に熟成について発見したとされています。

この密造の時代は1823年以降に幕を閉じるのですが、そのきっかけとなるのがグレンリベット蒸溜所なのです。
グレンリベットも密造酒を作っていた蒸溜所のひとつなのですが…実は当時の国王ジョージ4世も愛飲していたそうです。
グレンリベットが美味しいという噂が国王にまで届き、グレンリベットの味わいを気に入った国王はわざわざ飲みに蒸溜所を訪れるほどだったそうです。
この一件もあってか、酒税やライセンス料が1823年に改定。合法的に作ることへのハードルがグッと下がったそうです。

そしてこの後、1824年に晴れてグレンリベットは政府公認の第一号蒸溜所に。
こうして密造酒時代は終わり、政府公認蒸溜所がここから増えていくことになるのです。

実は歴史を紐解くと面白いスコッチ。
今回はここまでですが、また興味深いトピックがあればまとめたいと思います。

この歴史を感じながら「はじまりのシングルモルト」、ぜひお楽しみください。

 

Chikako Matsuo 松尾 知可子

Whisky Burgers Bar
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