グレンアギー蒸留所 1967 28年 ゴードン&マクファイル / 吉祥寺 Vision

2008/07/04

visionの八嶋です。スコットランド、東ハイランドのピーターヘッド。
古くから漁業の町としてアザラシ漁や捕鯨の基地として栄えたところです。
19世紀半ば以降はニシンのトロール漁の最大の水揚げ港として賑わっていましたが、
漁業そのものが廃れた現在は、かってのような賑わいを見ることはありません。

そのピーターヘッドから南に5キロほど、海を見下ろす高台に建てられていたのが
グレンアギー蒸留所です。スコットランドでは最も東に位置する蒸留所です。
この傍を流れるアギー川から蒸留所の名前がつけられてはいあmすが、
実際はアギー川のほとりではなく、インヴァネッティと呼ばれる小さな村の傍なので、
創業当時はインヴァネティ蒸留所と呼ばれていました。

創業は1831年。ドナルドマックロード社が建てたもので、創業後しばらくは
ビール醸造所として使われていました。再び蒸留所に戻されたのは1875年に
なってからのことで、その後もオーナーが何度も代わり、操業停止を幾度となく
繰り返していました。1970年にロングジョンインターナショナル社が買収し、
グループの一員となりましたが、同社はその後、ビール会社の最大手、
ウィットブレッド社に吸収され、新しいオーナーのもとで1983年まで
モルトウイスキーの生産が続けられていましたが、その同じ年にあえなく閉鎖されました。
現在は北海油田のプラント会社に売却され、蒸留設備はすべて取り外されました。
なので、今後の再開はありえず、幻の蒸留所になってしまっています。

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グレンアギー 1967 28年 ゴードン&マクファイル
ロングジョンの原酒として使用され、1983年に閉鎖されるまで
オフィシャルが一度も発売されておりません。ボトラーズものもそれほど多くは無く、
まさしく幻のシングルモルトなのです。
程良い酸味と甘みで、張り付くようなねっとりした食感が特徴的で、力感があり、
ハウススタイル通りシェリーの良さが表れた逸品です。
ドライフルーツ、チョコといった重厚な香りに、クローブなどのスパイスが
アクセントと奥ゆかしさを与え、ハイランドらしいしっかりとした骨格を形作っています。

そんな幻のシングルモルト、いかがですかね!?滅多に飲めませんよ。
夕べのグレンアルビンとの飲み比べも楽しそうですね。
今夜もvisionにて、お待ちしております。

ATCF Ltd. official web site はコチラ

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