2008/04/15
蒸留所は、スペイサイドのほぼ真ん中、スペイ川の支流ラワー川沿いにあります。
ジェームズ・ゴードンとピーター・ウェアの2人によって蒸溜所が建てられたのが
1826年。それ以前からもこの地で密造酒は作られていたようですが、
密造者たちが利用したのは聖ダンスタンの井戸水で、この水はハイランドの氏族達を
洗礼する際に使用したもの、つまり聖なる水が密造酒だったわけですね。
蒸溜所の現在の建物は、1879年の火災後に建てられた物でヴィクトリア朝の
美しい建物です。1974年にフランスのペルノーリカール社がオーナーになり、
その後も近代化と新しい技術を取り入れて変化をしてきているものの、
古き良き時代を今に伝える建物が今でもラワー渓谷の奥にひっそりとたたずんでいます。
仕込み水は、ベンリネス山の麓にある泉から引いていて、高さ30フィートの滝の水が
下の滝壷に落ちてラワー川となっています。原料の大麦はスコットランド産のみ
を使用し、通常、熟成樽の詮には木製の物を使用していますが、ここではコルク詮を
使用しています。コルクのほうが不純物が早く蒸発してよいんだとか。
そんなアベラワーのオールドものを VMSCボトルとしてリリースします。
アベラワー V.O.H.M 10年 VMSCボトル
1970年代後半ローテーションのオールドボトルです。
V.O.H.Mは「Very Old Highland Malt」の略です。
アベラワーとは、ゲール語で「ラワー川の落合」を意味しています。
1986年に金賞を受賞した際、このラワー川のルーツであった聖ダンスタンの井戸から、
一時的に水が湧き出たというエピソードが残されています。神秘的ですね。
かつて倉庫主任だった人物が、熟成庫で眠るウィスキーに、子守唄の代わりに
バグパイプを演奏し、それを聞きながら熟成していた時代のアベラワーです。
この機会に是非どうぞ。VMSCに入会されていない方もチャンスです。
今夜もvisionにて、お待ちしております。