2013/10/02
先日、チーズとワインについてブログでちょこっとお話しましたが…
今回はその第2弾(^^)
チーズを専門に取り扱う方から少しお話を伺う機会がありましたので、ご紹介します。
チーズとワインの共通点、と言われて、何が一番に思い浮かびますか?
ひとつ、間違い無く言えることは『熟成』させるもの、ということですね。
『熟成』とはそもそも、発酵させた後にゆっくり時間をかけて
変化させていくものに良く使われる方法で、味噌なんかも熟成させたりするんです。
発酵させないものであっても、お魚やお肉を寝かせて旨味を増したり、
更にはフルーツなんかも『追熟』して糖度をあげたりと、時間をかける、
ということはより美味しく召し上がって頂く為の、大切な工程なのです。
しかし、『熟成』と『腐敗』は常に隣り合わせ(ーー;)
一歩間違えば台無しになってしまいます。
例えばビールなんかもそう。
ボトルビールの一部は長期の熟成も可能ですが、カビが生えたらそれで台無しなのです。
温度、湿度の管理は絶対条件なのです。
そして、チーズとワイン。
このふたつも熟成によりより旨味を増すものの代表格ですが、湿度や温度の管理はもちろん、
長期の熟成に「耐えうる」ものに関しては、もう一つ大切な条件があるのです。
さて、何でしょうか?(^^)
読みながら考えてみてください。
チーズを例にあげて考えた方が分かりやすいです。
特に山岳地帯で作られるチーズは、保存性の高いものが多いことが特徴です。
大型でどっしり丈夫、そして長持ち。
もともとチーズは、栄養たっぷりでも日持ちのしないミルクをいかに保存し、
食料として確保するか、と工夫を重ねてきた保存食。
雪に埋もれると身動きできなかった山岳地域の人々にとって、
冬の食料を確保することはどんなに切実だったでしょうね。
だから、山のチーズは長く保存できるように大型で、水分を少なくして硬く作るんですね。
例えばコンテ。
コンテはそんな山のチーズの代表格。
故郷はスイスの国境に近いジュラ山脈です。
広大な高原にもみの木が生い茂り、夏には緑豊かな渓谷が広がる、美しい地域です。
春から夏、牛たちは広い自然の牧草地を歩き回り、濃くておいしいミルクを出します。
ここが重要なのです。
春から夏にかけて緑生い茂る牧草地。
栄養たっぷりでまだ若い『葉っぱ』。
これを食べている牛のミルクだからこそ、長期の熟成にも耐えられるのです。
冬の枯葉を食べて育つ牛のミルクでは、熟成向きのチーズを作ることが出来ません。
ワインももちろん同様。
今回のこのお話をして下さった方が有名なメドック5大シャトーのひとつ、
シャトームートンを飲んだ時、2口目にはまるで水のように
味気ないワインになってしまったのだそう。
つまりそのワインは、長期の熟成に耐えられなかったのです。
最も大きな要因はぶどうそのもの。
つまりは栽培の時点でそのワインのポテンシャルが決まっていた、というわけです。
やはり、全ては原料が資本。
素がタフでなければいけないのですね。
逆に、長く熟成されて素晴らしい味わいになるものは、
元々に高いポテンシャルを持った、価値あるチーズやワインであると言えるのです。
ただ時間をかけたら良いというわけではありません。
ワインをデキャンタージュする時も、開き過ぎて『枯れる』こともあります。
何事もやり過ぎは禁物なのです。
本当の意味での価値や、そのワインやチーズが本当においしいタイミングを、
しっかりとお伝えできる、提案できるバーテンダーにならねばなりませんね。
しっかりと勉強させて頂きます。
さて、今日はワインをご紹介します。
ヌマンシア
スペインのテンプラニーニョ。
Takayo Mano
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