バルメナック蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision
2022/06/07
バルメナック蒸留所について、徹底解説していきます。
バルメナックの地理
生産国：スコットランド
地域：スペイサイド
バルメナック蒸留所データと蒸留設備
所有者：タイビバレッジ社
設立年：1824年
年間生産能力：280万リットル
仕込水：クロムテイル川
糖化槽：ワンバッチ8トン
発酵槽：ダグラスファー6基
蒸留器：初留3基、再留3基
熟成庫：
バルメナックの解説
バルメナック蒸留所は1824年創業ということになっていますが、もともと密造を行っていたと言われています。
創業者はジェームズ・マクレガー氏。
ジェームズ氏の子孫のロバート・ブルース・ロッカートが書いた本の「Scotch」（1951年）に、蒸留免許取得の際の敬意が乗っていて、「税吏が、マクレガーの農場を訪問した際に盛大な歓待を受けた。その際に税吏が外にある不審な小屋に目をつけ、あれは何かと聞いたら、ピート小屋だとマクレガーが答えた。税吏が辞去する前にそっとあのピート小屋のために免許をとったほうが良いと忠告していった」とのこと。
これは私が勝手に推測すると、このピート小屋が密造蒸留所。1824年はグレンリベット蒸留所が政府公認第一号蒸留所となったタイミングであり、1823年の酒税法改正により酒税が大幅に引き下げられたため、密造で摘発されるよりは正式に免許をとったほうが得というのを税吏がアドバイス的な形で勧めたのではないかと思われます。
その後蒸留所は1925年にDCLが買収、60年代に改修工事が行われ、蒸留器が6基に増設されました。更にもともと行っていたフロアモルティングをサラディンボックス式に置き換えました。
1980年代のウイスキー不況の際にも操業は続けられましたが、1993年に閉鎖、その後インバーハウス社が買収、現在はタイビバレッジ社が所有しています。
バルメナックはオフィシャルはほとんど見かけず、ボトラーズでもまれにリリースされる程度であまり知名度の無い蒸留所です。これはほとんどがブレンデッド原酒として使われているためと推測されます。
バルメナックのラインナップ
The scoth malt whisky sciety 48.114 A snow cone for grown-ups
スコッチモルトウイスキーソサエティ 48.114
大人のかき氷という題名のソサエティのボトル。バーボン樽熟成で、非常にフルーティなフレーバーがある素晴らしいボトル。
ハイボールにもおすすめしたい爽やかなフレーバーです。
The scoth malt whisky sciety 48.132 Tuscan tales
スコッチモルトウイスキーソサエティ 48.132
トスカーナの物語という題名のソサエティボトル。
ソサエティでこのような地名が入る場合、その地方の樽などを使うものも多く、ワイン樽熟成可と思いきや、こちらはバーボン樽熟成。
テイスティングコメントから、ガリアーノというイタリアのリキュールの風味があるということからつけられた名前の模様です。
メロンやジンジャーのようなフルーティでややスパイシーな風味が特徴です。
バルメナックの年表
1824年 ジェームズ・マクレガーが小規模農場蒸留所としてバルメナックの蒸留免許を取得
1897年 バルメナックグレンリベット社を創業
1922年 マクレガー家がマクドナルド・グリーン、ピーター・ドーソン、ジェームズ・ワトソンの共同企業体に蒸留所を売却
1925年 共同企業体がDCLの傘下に入る
1930年 SMD社に運営を移管
1962年 蒸留器を6基に増設
1964年 フロアモルティングをサラディンボックスに変更
1992年 最初のオフィシャルボトルとして12年を発売
1993年 5月に蒸留所閉鎖
1997年 インバーハウス社がUDより蒸留所を買収
1998年 生産再開
2001年 パシフィックスピリッツ社がインバーハウスから5600万ポンドで蒸留所を買収。新オーナーにより27年、28年が発売
2002年 女王の即位50年を記念して25年熟成を発売
2006年 インターナショナルビバレッジ社がパシフィックスピリッツUK社を買収
2009年 ジンの製造を開始
Wataru Kobayashi 小林渉
Vision Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
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