2019/10/05
イタリアワインの中でも、王様の異名を持つ偉大なワイン、バローロ。一度はその名前くらいは聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
バローロで有名なカスティリオーネ・ファッレットの中心部に位置する、設立1920年の典型的な家族経営のワイナリー、アゼリア。現当主は4代目ルイージ・スカヴィーノ氏。設立当時は伝統的なスタイルの造り手でしたが、1980年代後半にバリックによる熟成を開始し、1990年代に革新派のマニフェストを採用。
その後、1995年にバローロを近代化したルネッサンスの担い手マルク・ディ・グラッツィアのグループに加入し、バローロ・ボーイズの一員としてアメリカで人気を博しています。
全て自社畑生産で、畑はカスティリオーネ・ファッレット、セッラルンガ・ダルバ、モンテルーポ・アルベーゼに位置しています。リゼルヴァを含む4つの知名度の高いクリュ畑を擁しており、中でもその筆頭はブリッコ・フィアスコ。他には、マルゲリア、ヴォゲラ・ブレア、サン・ロッコのクリュバローロも手掛けています。
歴史あるワイナリーであるため自社畑の樹齢が高いのもポイントであり、これも強く魅了される素晴らしい味わいのバローロを生み出す所以の一つです。
アゼリアのワインは、優れたバランス感と果実の密度があり、比較的早くから楽しむことができるため非常に親しみやすいスタイルといえます。特にバローロは明瞭なオーク樽の風味があり、強く深い味わいの魅力あるワイン。洗練された味わいと品質、そしてその知名度からみても非常に高いコスト・パフォーマンスに感心する造り手です。
Naoshi Morioka 森岡尚史
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