グレンガイル蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision

グレンガイル蒸留所について、徹底解説していきます。

• グレンガイルの地理
• グレンガイル蒸留所データと設備
• グレンガイルの解説
• グレンガイルのラインナップ
• グレンガイルの年表

1. グレンガイルの地理

生産国：スコットランド
地域：キャンベルタウン

2. グレンガイル蒸留所データと設備

所有者：J.＆A.ミッチェル社
設立年：1872（2004）年
年間生産能力：75万リットル
仕込水：クロスヒル湖
ワンバッチ：4.5トン
発酵槽：カラ松2基、ダグラスファー2基
蒸留器：初留1基、再留1基
熟成庫：

3. グレンガイルの解説

グレンガイル蒸留所は、元々は1872年創業の蒸留所で、キャンベルタウンにある蒸留所。
当時スプリングバンク蒸留所を所有していたミッチェル家の弟、ウィリアム・ミッチェルが兄と喧嘩して別の蒸留所を建ててしまったのが始まりとされています。
19世紀後半から20世紀前半はキャンベルタウン全盛期でしたが、20世紀に入り衰退し、グレンガイルも1925年に閉鎖。
その後79年間閉鎖状態でしたが、スプリングバンクの現在のオーナー、ヘドレー・ライトが蒸留所復活を決定、旧蒸留所の建物を買い戻し、2004年にグレンガイルを復活させました。
蒸留器は北ハイランドのベンウィヴィスの中古品で、麦芽の粉砕機はクレイゲラキの中古品。
蒸留器は搬入の際にネックを継ぎ足して背を高くして、クリーンなウイスキーができるように改造したそうです。

グレンガイル蒸留所には製麦設備がなく、スプリングバンクで製麦された麦芽を使用しています。
80％がライトリーピーテッドで20％がヘビリーピーテッドを作っています。

グレンガイルという蒸留所名ですが、ブランド名を他社が登録しているため、商品名として使用できず、シングルモルトではキルケランという名称でボトリングされています。
キルケランとはキャンベルタウンの旧名で「セント・ケアランのの教会」を意味する言葉です。

キルケランのヘビリーピーテッドは、アードベッグよりも強い80ppm前後の麦芽を使用しており、非常に力強い味わいはモルト上級者に大変人気の高いブランドとなっています。

4. グレンガイルのラインナップ

Kirkerran 16y
キルケラン 16年

バーボン樽原酒をメインに使用し、少量マルサラワイン樽原酒を使用したモルト。
ライトピートで、キャンベルタウン独特の塩気とオイリーさがあります

5. グレンガイルの年表

1872年　オリジナルのグレンガイル蒸留所がウィリアム・ミッチェルにより建設される
1919年　蒸留所がウェストハイランドモルトディスティラリー社に買収される
1925年　蒸留所閉鎖
1929年　熟成庫（樽のストックはなし）がクレイグ兄弟によって買収され、ガソリンスタンドとガレージに建て直される
1941年　ブロス兄弟が蒸留所を買収
1957年　キャンベル・ヘンダーソンが蒸留所再開の意向で計画許可を申請
2000年　スプリングバンク蒸留所のオーナーであり、創業者のウィリアム・ミッチェルと親戚関係にあったヘドレー・ライトが蒸留所を買収
2004年　再建築後の最初の蒸留が3月に実施される
2007年　支所の限定ボトルの3年熟成が発売される
2009年　キルケラン　ワークインプログレスを発売
2010年　ワークインプログレス2を発売
2011年　ワークインプログレス3を発売
2012年　ワークインプログレス4を発売
2013年　ワークインプログレス5を発売、その歳、バーボン樽とシェリー樽を発売
2014年　ワークインプログレス6を、バーボン樽、シェリー樽の2種発売
2015年　ワークインプログレス7を、バーボン樽、シェリー樽の2種発売
2016年　キルケラン12年を発売
2017年　キルケラン8年カスクストレングスを発売
2019年　キルケランヘビリーピーテッドを発売
2020年　16年熟成を発売
2021年　ヘビリーピーテッドバッチ4、16年バッチ2を発売
2022年　2種の8年カスクストレングスを発売

Wataru Kobayashi 小林渉

Vision Whisky Bar ヴィジョン
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