グレンロッシー蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision
2022/04/26
グレンロッシー蒸留所について、徹底解説していきます。
グレンロッシーの地理
生産国：スコットランド
地域：スペイサイド
グレンロッシー蒸留所データと蒸留設備
所有者：ディアジオ社
設立年：1876年
年間生産能力：370万リットル
仕込水：バードン川
糖化槽：ワンバッチ8トン
発酵槽：カラ松8基、ステンレス2基
蒸留器：初留3基、再留3基。再留器に精留器あり
熟成庫：巨大な10棟のウェアハウスがあり20万樽が貯蔵可能
グレンロッシーの解説
1876年創業の蒸留所で、創業者は地元のパブの経営者であるジョン・ダフ氏。
もともとグレンドロナック蒸留所のマネージャーも務めていた方で、3人の共同経営者とともに操業開始しました。
1919年にDCLの傘下に入り、その後はジョン・ヘイグ社によって操業。ブレンデッドウイスキーのヘイグやディンプルの主要原酒となっています。
その後火災により被害にあいつつも、1960年に大規模改修を行い、ポットスチルを4基から6基に増設。さらに、敷地内にマノックモア蒸留所を第二蒸留所として建設し、ともにヘイグ社によって運営されています。
ポットスチルはストレートヘッド型で、再留器には精留器が取り付けられ、軽くクリーンなスピリッツを生産しています。
さらに2018年1月から1年半に渡り再び改修が行われ、現在は環境に優しい蒸留所に生まれ変わっているそうです。
グレンロッシー蒸留所内には、ドラフ（麦芽の絞りカス）を再処理し、家畜の餌にできるダークグレインプラントが併設されており、年間3000トンのドラフの処理が可能となっています。
グレンロッシーはもともとブレンダーの間では非常に評価の高い蒸留所で、そのためシングルモルトとしてリリースされることがほとんどなく、オフィシャルでは花と動物シリーズでリリースされたくらいでほとんどリリースが無い蒸留所です。
ボトラーズでも少量リリースされるため、それらを楽しむことができます。
グレンロッシーのラインナップ
グレンロッシー 2009 12年 アーティストコレクティヴ
フランスのボトラーズのラ・メゾンドウイスキーからのリリース。
現代アート作家とのコラボレーションでラベルデザインをしているシリーズです。
加水の43％でのボトリングで、香りが大変素晴らしい桃やプラム、アプリコットなどのフルーツ香があり、口の中で広げるとそのフレーバーが非常によく感じられる素晴らしいボトルです。
グレンロッシー 2007 12年 ネクターオブザデイリードラム
高品質ボトラーズとして知られるネクターからのリリースのグレンロッシー。
カスクストレングスで55％で瓶詰めされているボトルです。
調べても出てこないのですが、グレンロッシーはノンピートと思っていたのですが、こちらのボトルは軽くピートのフレーバーを感じます。
これまで飲んだことがあるグレンロッシーとはちょっと印象の違うボトルです。
グレンロッシーの年表
1876年 グレンドロナックのマネージャーのジョン・ダフが蒸留所を創業。アレクサンダー・グリゴール・アラン（タリスカー蒸留所の共同オーナーとなる）、ウイスキートレーダーのジョージ・トムソン、チャーリー・シュール（ふたりとも20年後のロングモーンの共同創業者）、H.マッカイを会社に入れる
1895年 グレンロッシー・グレンリベット社を創設。アレクサンダー・グリゴール・アラン死去
1896年 ジョン・ダフがロングモーンへの関与を強め、それに伴いマッカイが蒸留所の経営を引き継ぐ
1919年 DCLが蒸留所を引き継ぐ
1929年 火災発生により深刻な被害を受ける
1930年 DCLが蒸留所の管理をSMDに移管する
1962年 蒸留器を4基から6基に増設
1971年 SMDにより敷地内に第二蒸留所としてマノックモアが建設される。ダークグレインプラントが建設される。
1990年 10年熟成を花と動物シリーズにて発売
2010年 1999マネージャーズチョイスシングルカスクを発売
Wataru Kobayashi 小林渉
Vision Whisky bar 吉祥寺
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