グレンキース蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision
2022/11/01
グレンキース蒸留所について、徹底解説していきます。
グレンキースの地理
生産国：スコットランド
地域：スペイサイド
グレンキース蒸留所データと設備
所有者：ペルノ・リカール社
設立年：1957年
年間生産能力：600万リットル
仕込水：ニューミルの泉
糖化槽：8トン
発酵槽：ステンレス6基、オレゴンパイン9基
蒸留器：初留3基、再留3基
熟成庫：
グレンキースの解説
グレンキースはスペイサイドのキースの町にある蒸留所。
キースには他に、ストラスアイラ、ストラスミル、オスロスク、グレントファース、オルトモアという蒸留所があります。
グレンキースはストラスアイラの第2蒸留所として1957年に創設された蒸留所で、アイラ川を挟んでストラスアイラの対岸、キースの駅から2〜3分の場所にあります。
前身は製粉、及びオートミールの工場で、それを改造して蒸留所にしたとのことで、外観が蒸留所らしくないと言われています。
創業当時、アメリカ向けの安価でライトなブレンデッドウイスキーが求められており、カティサークやJ&Bのような当時の人気ブランドに対抗して、100パイパーズが作られ、その原酒としてグレンキースが期待されました。
軽い風味を造るために3回蒸留を取り入れたり、シーバスブラザーズ社にアイラモルトがなかったためにスモーキーな原酒も作ったりなど試行錯誤がされ、これらはクレイグダフ、グレンアイラとしてブレンダーの間では知られていました。
しかし、ウイスキー不況により1999年〜2013年まで閉鎖、2014年に現オーナーのペルノ・リカールにより蒸留再開しました。
グレンキースは、仕込みはワンバッチ8トン、マッシュタンは最新鋭のブリッグス社製フルロイタータン、発酵槽はステンレス6基、オレゴンパイン9基、スチルは初留再留合計6基で、ラインアームが細く、長いのが特徴。
オフィシャルのシングルモルトはほとんど出回っておらず、ほとんどがボトラーズで少量リリースされる程度で、あまり見かけない蒸留所でもありますが、2019年からシークレットスペイサイドコレクションというラインナップから3種類のグレンキースがリリースされました。
グレンキースのラインナップ
グレンキース 1993 27年 カーンモア セレブレーションオブザカスク
＊過去在庫のため現在はありません
カーンモアのハイレンジラインナップのセレブレーションオブザカスクシリーズからリリースされたグレンキース。
カスクストレングスでバーボン樽熟成、27年の歳月をかけて49％まで自然にアルコール度数が落ち、非常に良い熟成を重ねたボトルです。
熟した青りんご、りんごの蜜、パイナップルやバナナなどの爽やかな甘さのあるフルーツ香と、洋梨、ジンジャー、バニラ、はちみつといったジューシーで甘さのあるフレーバーが大変素晴らしいボトルです。
グレンキース 1993 26年 インフリークエントフライヤー
＊過去在庫のため現在はありません
アリスター・ウォーカーが立ち上げたボトラーズのインフリークエントフライヤーからリリースされているボトル。
アリスター・ウォーカーの父親がウイスキープロデューサーとして有名なビリー・ウォーカー氏で、ビリー・ウォーカー氏のもとベンリアック蒸留所で修行、多くの経験を積んだことによる樽選びの素晴らしさが注目となっています。
こちらのボトルも、キャラメルやドライフルーツ、オレンジなどの香りと、バニラや樽由来のオーク香、アプリコットのような爽やかなフレーバーなど、非常にバランスの良いボトルとなっています。
グレンキースの年表
1957年 シーバスブラザーズ社（シーグラム）により蒸留所創業
1958年 蒸留開始
1970年 スコットランドで最初のガス燃料による蒸留器を導入。蒸留器を3基から5基に増設
1976年 自家製麦（サラディンボックス式）を中止
1983年 6基目の蒸留器を増設
1994年 最初のオフィシャルボトリングとして10年熟成を、シーグラムヘリテージコレクションとして発売
1999年 蒸留所閉鎖
2001年 ペルノ・リカール社がシーバスブラザーズをシーグラムから買収
2012年 蒸留所再開に向けて改装改築を行う
2013年 蒸留所再開
2017年 ディスティラリーエディションを発売
2019年 シークレットスペイサイドコレクションとして3種をボトリングし発売
Wataru Kobayashi 小林渉
Vision Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
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