ハイランドパーク蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision

2022/07/05

ハイランドパーク

ハイランドパーク蒸留所について、徹底解説していきます。

 

ハイランドパークの地理

生産国:スコットランド
地域:アイランズ

 

ハイランドパーク蒸留所データ・蒸留設備

所有者:エドリントングループ社
設立年:1798年
年間生産能力:250万リットル
仕込水:クランティットの泉
糖化槽:6トン
発酵槽:オレゴンパイン、カラ松、サイベリアンラーチ製合計12基
蒸留器:初留2基、再留2基
熟成庫:19のダンネージ式と4つのラック式

 

ハイランドパークの解説

ハイランドパーク蒸留所は1798年創業の蒸留所。
場所は、スコットランド本土よりさらに北にある、オークニー諸島のメインランド島にあります。
メインランド島には他にスキャパという蒸留所がありますが、ハイランドパークはカークウォールのはずれにあり、位置的に北緯59度とスキャパより北に位置し、また、スコッチの蒸留所としては最北の蒸留所となります。

蒸留所を建設したのはダヴィッド・ロバートソンですが、建てた場所はもともと伝説の密造者と言われるマグナス・ユンソンの密造所があった場所です。
このマグナスという人は、教会の長老という位置にありながら、密造もやっており、ウイスキーの樽を教会の説教壇の下に隠し、査察が入るとそれを自宅に運び、白布をかぶせて天然痘患者を装ったという伝説があり、税吏が査察に踏み込んだ際に、天然痘で死んだ人がいる場に踏み込んだということで感染する恐れがあるということで逃げ出したそうです。
そのような場所に建てられたハイランドパークは、その後も何度かオーナーが変わり、その都度増築されて来ましたが、今の建物は1860年代に建てられた石造りのものだそうです。

ハイランドパークの特徴はフロアモルティングを実施していることで、8トンの麦芽を精麦できるフロアが5面あり、週に40トン近い麦芽を製造できます。
ピートはスキャパ湾を見下ろすホービスターヒルから切り出されたもので、フェノール値は40〜42ppmの麦芽を作っています。これに本土のシンプソンズ社から購入したノンピート麦芽を混ぜて、自家製麦比率30%で最終的なフェノール値は10〜15ppmの麦芽で仕込みます。

ワンバッチは6トンで、発酵槽は木製だがその中にはサイベリアンラーチ製の発酵槽があります。
このサイベリアンラーチというのはスカンジナビア産のカラ松で、かつてヴァイキングがロングシップという船を建造する際に使用した木材です。

また、もう一つの特徴として、現在ハイランドパークはマッカランと同じエドリントングループが所有しており、そのためマッカランと同じくシェリー樽熟成に強いこだわりを持っています。
これはエドリントングループが培ったシェリー樽調達、熟成の技術が転用されており、良い効果をもたらしていると推測されます。

ハイランドパークのあるオークニー諸島は、昔からヴァイキングの影響を大きく受けており、そのためスコットランド人とは少し違う国民意識があると言われ、自分たちはスコットランド人ではなく「オーカディアン(オークニーの人)」というプライドがあるそうです。
また、ヴァイキングの影響から、ボトルデザインや限定商品のデザイン、名前などがヴァイキングを意識したものになっており、特に北欧神話の名前のついた限定ボトル、ソー、ロキ、フレイヤ、オーディンは有名です。
(これまでなるべく限定商品の名前をカタカナにして年表に記載してきましたが、北欧系の読めない単語が多く、かつ日本で発売されてないためカタカナ表記の先例が無いボトルが多く、アルファベットのまま記載しています。)

 

ハイランドパークのラインナップ

ハイランドパーク 12年

ハイランドパーク 12年

最もスタンダードなハイランドパーク。
軽いスモーキーフレーバーとシェリー樽由来のはちみつやチョコレートのような甘さが相乗効果をもたらし、ゆっくり飲めるバランスのよいボトルです。

ハイランドパーク ダンカンテイラー

ハイランドパーク 2004 17年 ダンカンテイラーシングルカスク

有名ボトラーズのダンカンテイラーからリリースされたハイランドパーク。
シングルカスクシリーズは、ダンカンテイラーのダイメンションシリーズの後継シリーズとのことです。
ハイランドパークこだわりの正統派シェリー樽熟成のボトルで、ドライフルーツやチョコレートなどの濃厚な甘さが楽しめます。

 

ハイランドパークの年表

1798年 ダヴィッド・ロバートソンが蒸留所を創業。地元の密輸業者兼実業家のマグナス・ユンソンが、以前この場所でウイスキーの密造をしていた。
1816年 マグナス・ユンソンを逮捕した税務職員のジョン・ロバートソンが生産を引き継ぐ
1826年 ハイランドパークが蒸留免許を取得。ロバート・ボーウィックが蒸留所を買収
1840年 ロバートの息子のジョージが蒸留所を引き継ぐが、経営が悪化
1869年 弟のジェームズがハイランドパークを相続したが、蒸留酒の製造は宗教上ふさわしくないと考え、蒸留所の売却を検討
1895年 グレンリベット蒸留所のジェームズ・グラントが蒸留所を買収
1898年 蒸留器を2基から4基に増設
1937年 ハイランドディスティラリー社が蒸留所を買収
1979年 ハイランドディスティラリー社はハイランドパークをシングルモルトとして販売するために多額の投資を行い、売上を大幅に増加させる
1986年 スコットランドで最も素晴らしいと言われるビジターセンターを開設
1997年 18年熟成、25年熟成を発売
1999年 エドリントングループとウィリアムグラント&サンズ社がハイランドディスティラリーを買収
2000年 スコットランド観光局がハイランドパークを’5つ星観光スポット’に認定
2005年 30年熟成を発売。16年熟成を免税店向けに発売。アンバサダーズカスク1984を発売
2006年 アンバサダーズカスクセカンドエディション、1996年蒸留10年熟成を発売
2007年 The Rebus 20年、21年を免税店向けに発売。38年、39年を発売
2008年 40年熟成、サードエディションとフォースエディションのアンバサダーズカスクをリリース
2009年 2つのヴィンテージとEarl Magnus 15年を発売
2010年 50年熟成、Saint Magnus12年、Orcadian Vintage 1970と4つの免税店向けヴィンテージを発売
2011年 1978ヴィンテージ、Leif Eriksson、Earl Haakon18年を発売
2012年 Thorと、21年熟成を発売
2013年 Lokiと免税店向け新商品、ウォリアーを発売
2014年 Freya、ダークオリジンを発売
2015年 Odinを発売
2016年 Hobbister、Ice edition、Ingvar、King Cristian Iを発売
2017年 ヴァルキリー、ドラゴンレジェンド、ボヤージュオブレーヴェン、シール、フルボリューム、ザ・ダーク、ザ・ライトを発売
2018年 スピリッツオブベア、ロイヤリティオブザウルフ、ウィングオブザイーグルを含む免税店向けボトルを発売
2019年 ツイステッドタトゥー、ヴァルファーザー、Triskelion、21年を発売
2020年 コアレンジにカスクストレングスを追加
2021年 15年、50年を発売

 

Wataru Kobayashi  小林渉

Vision  Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
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