2023/06/28
インチガワー蒸留所について、徹底解説していきます。
生産国:スコットランド
地域:スペイサイド
所有者:ディアジオ社
設立年:1871年
年間生産能力:320万リットル
仕込水:メンダフヒルズの泉
ワンバッチ:8.4トン
発酵槽:オレゴンパイン6基
蒸留器:初留2基、再留2基
熟成庫:
インチガワー蒸留所は1871年創業の蒸留所。
名前の意味はInchが「島」や「川のそばの草地」、Gowerが「山羊」を意味するゲール語で、つまり「川のそばの山羊の放牧地」を意味します。
スペイサイドのスペイ川の河口から東に8キロほど行った、バッキーという古い港町があり、町を見おろす高台にインチガワー蒸留所はあります。
アレクサンダー・ウィルソンによって創業されましたが、元々の蒸留所はトーヒニールと言う別の場所にあったとのことですが、地代のことで地主ともめ、現在の場所に移ってきたそうです。
その新しい蒸留所も経営難に陥り、1936年〜38年はバッキーの町議会がインチガワーを所有、その後アーサーベル&サンズ社が買収します。
同社のブレンデッドウイスキーの「ベル」の原酒を確保することが目的です。
インチガワーには、ベルの原酒としてナッティでスパイシーなモルト原酒が求められ、そのため清澄麦汁ではなく、あえてクラウディな麦汁を取り、発酵時間も48〜53時間と短め、蒸留のミドルカットも70%〜55%とかなり低めでカットしています。
インチガワーの仕込みはワンバッチ8.4トン。
蒸留器はずんぐりとしたストレートヘッドでこの形状も重い原酒を作るのに向いています。
熟成庫は6万樽を貯蔵可能な巨大な物となっており、現在は近隣の蒸留所の樽の熟成にも使用されています。
The Scotch Malt Whisky Socierty 18.38 The happy pounderer
スコッチモルトウイスキーソサエティ 18.38
セカンドフィルバーボン樽で熟成されたボトル。
アルコール度数の61.3%と高めなことも影響して、非常にパンチの効いた味わい。
クラウディな原酒由来と思われる、ワックスやポリッシュのような香りがあり、オイリーでどっしりとした味わいが大変飲みごたえのあるボトルです。
The Scotch Malt Whisky Socierty 18.44 Creamy coffee fudge
スコッチモルトウイスキーソサエティ 18.44
バーボン樽熟成のあと、オロロソ樽に移し替えて追加熟成させたボトル。
濃厚でどっしりとしたフレーバーの上に、シェリー樽熟成のブルーベリーやスコーンのような甘いフレーバーが乗り、後にスパイシーなフレーバーがじっくり出てきます。
1871年 アレクサンダー・ウィルソン社が蒸留所を創業
1936年 アレクサンダー・ウィルソン社が倒産し、バッキータウンカウンシルが蒸留所と一家の家を1600ポンドで買収
1938年 蒸留所をアーサー・ベル社に3000ポンドで売却
1966年 蒸留器を4基に増やし、生産能力を2倍にする
1985年 ギネス社がアーサー・ベル社を買収
1987年 ユナイテッド・ディスティラー社がアーサー・ベル社と合併し、DCLとなる
1997年 インチガワー1974 22年をレアモルトシリーズで発売
2004年 インチガワー1976 27年をレアモルトシリーズで発売
2010年 1993シングルカスクを発売
2018年 27年熟成をスペシャルリリースとして発売
Vision Whisky Bar ヴィジョン
吉祥寺/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
0422-20-2023
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