2023/05/03
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インチガワー蒸留所について、徹底解説していきます。
生産国:スコットランド
地域:スペイサイド
所有者:ディアジオ社
設立年:1871年
年間生産能力:320万リットル
仕込水:メンダフヒルズの泉
ワンバッチ:8.4トン
発酵槽:オレゴンパイン6基
蒸留器:初留2基、再留2基
熟成庫:6万樽貯蔵可能
インチガワー蒸留所は、スペイ川の河口から東に8キロほど行ったバッキーという港町の高台にあります。
インチはゲール語で「島」や「川のそばの草地」の意味で、川-は「山羊」で、総合すると「川のそばの山羊の放牧地」となります。
1871年にアレクサンダー・ウィルソンに酔って蒸留所が創業。
元々はトーヒニールという場所にあったそうですが、地代で地主ともめた結果移ってきたそうです。
創業から約65年後の1936年に倒産し、バッキーの街の町議会がインチガワーを所有、その2年後にアーサーベル社が買収しました。
ベル社は同社のブレンデッドの「ベル」の原酒の確保のために買収し、これ以降はベルの主要なモルト原酒となりました。
ベルの原酒として求められたのがナッティでスパイシーなモルトだったことから、あえて清澄麦汁ではなくクラウディな麦汁を取り、発酵時間も48時間〜53時間と短め、さらにミドルカットも70〜55%とかなり低く取り、エステリーな成分を取らない製法をとっています。
現在の仕込みはワンバッチ8.4トン、蒸留浮きはストレートヘッド4基、巨大なウェアハウスがあり6万樽が貯蔵可能で、現在は近隣の蒸留所の熟成にも使用しています。
ほぼすべてブレンデッド原酒として使用されており、花と動物シリーズの14年がリリースされたくらいでシングルモルトはほとんど見かけることが無いですが、まれにボトラーズでリリースされるため、それに遭遇すればシングルモルトも楽しむことができます。
インチガワー 2008 13年 ザ シングルカスク
新しいボトラーズのザ シングルカスクからリリースされたインチガワー。
ボトリング本数がかなり少なく、62本しかリリースされていません。
バーボン樽熟成のあと、赤ワインオクタブ樽で追加熟成されており、やや酸味のある甘さが特徴のボトルです。
1871年 アレクサンダー・ウィルソン社が蒸留所を創業
1936年 アレクサンダー・ウィルソン社が倒産、バッキータウンカウンシルが蒸留所と家を1600ポンドで買収
1938年 蒸留所をアーサーベル社に3000ポンドで売却
1966年 蒸留器を4基にして生産量を2倍にする
1985年 ギネス社がアーサーベル社を買収
1987年 アーサーベル社とDCLが合併し、ユナイテッドディスティラー社が誕生
1997年 インチガワー 1974 22年をレアモルトシリーズで発売
2004年 インチガワー 1976 27年をレアモルトシリーズで発売
2010年 シングルカスク1993を発売
2018年 27年熟成をスペシャルリリースで発売
Vision Whisky Bar ヴィジョン
吉祥寺/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
0422-20-2023
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